【新連載】脳梗塞で半身不随になった出版局長の「 社会復帰までの陽気なリハビリ奮闘日記」163日間【真柄弘継】第1回 |BEST TiMES(ベストタイムズ)

BEST TiMES(ベストタイムズ) | KKベストセラーズ

【新連載】脳梗塞で半身不随になった出版局長の「 社会復帰までの陽気なリハビリ奮闘日記」163日間【真柄弘継】第1回

【新連載】脳梗塞で半身不随になった出版局長の「 社会復帰までの陽気なリハビリ日記」163日間〈第1回〉


「まさかオレが!? 脳梗塞に!」ある日突然人生が一変。衝撃の事態に見舞われ仕事現場も大混乱!現役出版局長が綴った「半身不随から社会復帰するまでのリアル奮闘日記」。連載配信前から出版界ですでに話題に!

誰もが発症の可能性がである「脳卒中」。実際に経験したものでないと分からない〝過酷な現実と絶望〟。将来の不安を抱えながらも、立ち直るべくスタートした地獄のリハビリ生活を、持ち前の陽気さと前向きな性格でもって日々実直に書き留めていったのが、このユーモラスな実録体験記である

リハビリで復活するまでの様子だけでなく、共に過ごしたセラピストや介護士たちとの交流、社会が抱える医療制度の問題、著者自身の生い立ちや仕事への関わり方まで。 克明に記された出来事の数々は、もしやそれって「明日は我が身!?」との声も!?  笑いあり涙ありの怒涛のリハビリ日記を連載で公開していく。

第1回は「脳梗塞になっちゃいました!」

50代働き盛りのオッサンは必読! 出版局長〜〜!明日はどっちだ!?


脳梗塞のイメージ写真/iStock

 

第1回   脳梗塞になっちゃいました! 

 

◆前触れはこうして始まっていた・・・

 

◾️2025年1月1日水曜日

元日は紀伊國屋書店新宿本店へ年始の挨拶。
今年は高井(昌史)会長が9階に出来た新しいオフィスでお出迎え。
挨拶に訪れる版元各社や取次で、例年以上に訪れる関係者が多かった。
私は10年来の元日の訪問だから、並ぶことなく高井会長へご挨拶ができた。
藤則(幸男)社長や大野(繁治)副社長もおられ、年始の一番早いご挨拶は好印象だ。
ご挨拶を済ませたら、星(真一)新宿本店店長始め元日に出勤されている担当者さんたちへ年賀のお菓子を配る。10年続いている私の仕事始めなのだ。

 

◾️1月3日金曜日〜

今年は会社の仕事始めが4日でなく6日。
まだまだ休みが続くと思いながら晩御飯を終えて風呂に入ると、なぜか動悸がして不安な気持ちに。
寝れば落ち着くかと思ったが、ますます酷くなるばかり。
あとで知ったが俗にいうヒートショック。
血圧爆上がりで呼吸困難になってしまい、救急車で運ばれたのだ。
病院で酸素を鼻から入れられ、点滴をして血圧は安定。
身体のどこも痛くないのに、そこから8日まで病院のベッドで寝て過ごす。

追記)この入院騒動が2025年の波乱の幕開けであったとは!

 

◾️6月8日日曜日

普段の平日と同じ5時に起床。
洗面所で歯磨きをすると、なんだか手に力が入らない。
頭の片隅で、なんかヤバイ?と思うが、日曜日に済ませることが気になりそのままに。

追記)これが長いリハビリ生活の前兆だった。

シャワーでスッキリしてから、朝食を作ってのんびりと食べる。
昨夜から帰宅している三男は爆睡中。
起こさずに9時から営業しているスーパーへ。
なんだか車の運転が下手になっているが安全運転で目的地へ。
それでも普段と違う感覚に早めに帰宅。
三男はまだ寝ている。
私も朝からアクビが止まらないので、横になって一眠り。
昼過ぎに起きて遅いランチ。
その前に三男から書類に署名を頼まれ書こうとするが、なぜかペンを握ってもまともに字が書けない。
痺れはないが、念のために明日は病院に行ってから会社へと思い社長へ連絡をすることに。
寝坊助の三男と妻と義母の4人でランチを済ませ、そろそろ帰るという三男を駅まで車で送っていく。
駅からの帰りの運転が午前中よりも下手だ!
いつもよりも慎重に車庫に入れ、ドアをロックしたら、当分運転したくない気分。

今日は安田記念。
のんびりとテレビ観戦。
なんと!
単複買ったガイアフォースが二着に来て、馬連ワイド一点買いに、二頭軸5頭流しの三連単三連複も当たり!
惜しくも単勝だけハズレたが、あとは総取り!
2500円の投資で11万円以上の払い戻し。
3月のチューリップ賞は単複馬連ワイド三連単三連複完全的中の3000円が約25万円になったのには及ばないが、それに次ぐ配当金。

追記)そしてこの11万円が、これから始まるリハビリ生活での貴重な馬券の軍資金となったのである。

競馬で大儲けもしたことだし、まずは社長へ電話。
簡単に手がこんな感じですと伝えると、温厚な社長が「いますぐ救急車を呼びなさい!」と声を荒げ、その勢いにただならぬものを感じて119番に。
身体の状態や心臓で正月に入院したことを伝え、着替えて待つと、近所に消防署があることもあってか、早々に救急車が到着。
正月に心臓で入院した病院へ行くと、自ら歩いて診察台に。
自分で着替えて、医師の指示どおり手をグッパッしたり指を折り曲げたり。
その後にMRICTで検査され医師から告げられたのは、
「脳梗塞です。まずは二週間ほど入院してもらいます」
とのこと。
身体は動くし、なんなら手も足もスムーズに動かせる。
なんだか実感がわかないまま病室に連れていかれた。
すでに脳梗塞の後遺症なのか、心は不安や恐怖を感じることなく、ただトホホとなっただけであった。
ベッドに寝かされHCU(緊急)の病室へ運ばれ、点滴を3つつけられ、そのまま睡魔に勝てず爆睡。
朝、目覚めると身体の右半身がまったく動かない。
言葉もうまく出てこなくなっている。
けれど頭の中は、意識はしっかりとしている。
身体の左側以外はピクとも反応しないことで、本当に脳梗塞になっている!
不思議と冷静に考えている自分に気づく。

次のページ我慢できずにパンツを濡らしてしまった…

KEYWORDS:

 

 

✴︎KKベストセラーズ好評既刊  新装重版✴︎

高市早苗著『アメリカ大統領の権力のすべて』

 

★初の女性新首相・高市早苗「政治家の原点」がここにある★

アメリカ大統領の権力のすべて』待望の新装重版

 

民主主義国家の政治をいかに動かし統治すべきか?

◎トランプ大統領と渡り合う対米外交術の極意とは?

★政治家・高市早苗が政治家を志した原点がここにある!

 

「日本は、国論分裂のままにいたずらに時間を食い、国家意志の決定と表明のタイミングの悪さや宣伝下手が災いし、結果的には世界トップ級の経済的貢献をし、汗も流したにもかかわらず、名誉を失うこととなった。

 納税者としては政治の要領の悪さがもどかしく悔しいかぎりである。

 私は「国力」というものの要件は経済力」、「軍事力」、そして「政治力」だと考えるが、これらの全てを備えた国家は、現在どこにも存在しない。

 (中略)

 そして日本では、疑いもなく政治力」がこれからのテーマである。

 「日本の政治に足りないものはなんだろう?」情報収集力? 国会の合議能力? 内閣の利害調整能力?  首相のメディア・アピール能力?  国民の権利を保証するマトモな選挙?  国民の参政意識やそれを育む教育制度?

 課題は随分ありそうだが、改革の糸口を探る上で、アメリカの政治システムはかなり参考になりそうだ。アメリカの政治にも問題は山とあるが、こと民主主義のプロセスについては、我々が謙虚に学ぶべき点が多いと思っている。

 (中略)

 本書では、行政府であるホワイトハウスにスポットを当てて同じテーマを追及した。「世界一強い男」が作られていく課程である大統領選挙の様子を描写することによって、大統領になりたい男や大統領になれた男たちの人間としての顔やフッーの国民が寄ってたかって国家の頂点に押し上げていく様をお伝えできるものになったと思う。 I hope you enjoy my book.」

(「はじめに」より抜粋)

 

◉大前研一氏、推薦!!

 「アメリカの大統領は単に米国の最高権力者であるばかりか、世界を支配する帝王となった。本書は、連邦議会立法調査官としてアメリカ政治の現場に接してきた高市さんが、その実態をわかりやすく解説している。」

ALL ABOUT THE U.S. PRESIDENTIAL POWER

How much do you know about the worlds’s most powerful person―the President of the United States of America? This is the way how he wins the Presidential election, and how he rules the White House, his mother country, and the World.

<著者略歴>

高市早苗(たかいち・さなえ)

1961年生まれ、奈良県出身。神戸大学経営学部卒業後、財団法人松下政経塾政治コース5年を修了。87年〜89年の間、パット•シュローダー連邦下院議員のもとで連邦議会立法調査官として働く。帰国後、亜細亜大学・日本経済短期大学専任教員に就任。テレビキャスター、政治評論家としても活躍。93年、第40回衆議院議員総選挙奈良県全県区から無所属で出馬し、初当選。96年に自由民主党に入党。2006年第1次安倍内閣で初入閣を果たす。12年、自由民主党政務調査会長女性として初めて就任。その後、自民党政権下で総務大臣、経済安全保障大臣を経験。2025年10月4日、自民党総裁選立候補3度目にして第29代自由民主党総裁になる。本書は1992年刊行『アメリカ大統領の権力のすべて』を新装重版したものである。

 

 

✴︎KKベストセラーズ「日本の総理大臣は語る」シリーズ✴︎

 

オススメ記事

真柄弘継

まがら ひろつぐ

現役出版局長

1966年丙午(ひのえうま)126日生まれ。

1988年(昭和63)に昭和最後の新卒として出版社に勤める。

以来、5つの出版社で販売、販売促進、編集、製作、広告の職務に従事して現在に至る。

出版一筋37年。業界の集まりでは様々な問題提起を行っている。

中でも書店問題では、町の本屋さんを守るため雑誌やネットなどのメディアで、いかにして紙の本の読者を増やすのか発信している。

 

2025年68日に脳梗塞を発症して半身不随の寝たきりとなる。

急性期病院16日間、回復期病院147日間、過酷なリハビリと自主トレーニング(103キロの体重が73キロに減量)で歩けるまで回復する。

入院期間の163日間はセラピスト、介護士、看護師、入院患者たちとの交流を日記に書き留めてきた。

自分自身が身体障害者となったことで、年間196万人の脳卒中患者たちや、その家族に向けてリハビリテーション病院の存在意義とリハビリの重要性を日記に書き記す。

また「転ばぬ先の杖」として、健康に過ごしている人たちへも、予防の大切さといざ脳卒中を発症した際の対処法を、リアルなリハビリの現場から当事者として警鐘を鳴らしている。

この著者の記事一覧