高市内閣誕生でついに底が抜けた「サヨクの劣化」と「フェミニスト・リベラルの幼稚さ」【仲正昌樹】
公的な立場にある人の反高市発言で最も差別的意識が露呈したのは、所信表明演説の際の、立民の水沼秀幸議員と岡田悟議員の野次だ。肝心の首相の声が聞こえなくなるくらいの野次は議事妨害であり、国民の知る権利の侵害だ。それ以上に問題なのは、冒頭の「統一教会!」という奇声だ。
高市氏が複数回、世界日報のインタビューに出ていることをもって、強引に統一教会と「ズブズブの関係」だと印象付けることを狙ったのだろうが、あのように、「統一教会」というワードだけ聞こえるような野次り方をすれば、韓国の人を「朝鮮人」、黒人を〈nigger〉と呼んで差別するのと同じ効果がある。現に、統一教会の信者は既に地域行事から排除されたり、職を失ったり、子供が差別されるといった状態に置かれている。鹿児島の川内博史議員のように、地元の祭りから信者を排除したことを手柄のように語る議員もいる。
そういう現状で、国会の議場で、議員が罵倒用語として「統一教会!」と叫べば、議員が統一教会信者への差別を正当化したような印象を受ける。実際、彼らは統一教会信者の差別を意図したわけではない、と弁明していないし、野田党首などもそのことを咎めだてせず、小西議員や石垣議員のように、よくやったと言う者さえいる。
「統一教会」を「自民党を叩く切り札」のままにしておきたいので、流石にまずかったと思っても謝れないのだろうが、それこそ罵倒用語にされた者の人権を軽視する差別意識の現れであり、人権よりも敵を攻めることを最優先してしまう“リベラル”の理念喪失を象徴しているように見える。
高市氏の人気を高めることに、敵に難癖を付けることしかできず、そのことを自覚できない“リベラル”たちが多いに貢献している。
文:仲正昌樹
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「日本は、国論分裂のままにいたずらに時間を食い、国家意志の決定と表明のタイミングの悪さや宣伝下手が災いし、結果的には世界トップ級の経済的貢献をし、汗も流したにもかかわらず、名誉を失うこととなった。
納税者としては政治の要領の悪さがもどかしく悔しいかぎりである。
私は「国力」というものの要件は経済力」、「軍事力」、そして「政治力」だと考えるが、これらの全てを備えた国家は、現在どこにも存在しない。
(中略)
そして日本では、疑いもなく政治力」がこれからのテーマである。
「日本の政治に足りないものはなんだろう?」情報収集力? 国会の合議能力? 内閣の利害調整能力? 首相のメディア・アピール能力? 国民の権利を保証するマトモな選挙? 国民の参政意識やそれを育む教育制度?
課題は随分ありそうだが、改革の糸口を探る上で、アメリカの政治システムはかなり参考になりそうだ。アメリカの政治にも問題は山とあるが、こと民主主義のプロセスについては、我々が謙虚に学ぶべき点が多いと思っている。
(中略)
本書では、行政府であるホワイトハウスにスポットを当てて同じテーマを追及した。「世界一強い男」が作られていく課程である大統領選挙の様子を描写することによって、大統領になりたい男や大統領になれた男たちの人間としての顔やフッーの国民が寄ってたかって国家の頂点に押し上げていく様をお伝えできるものになったと思う。 I hope you enjoy my book.」
(「はじめに」より抜粋)
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ALL ABOUT THE U.S. PRESIDENTIAL POWER
How much do you know about the worlds’s most powerful person―the President of the United States of America? This is the way how he wins the Presidential election, and how he rules the White House, his mother country, and the World.



<著者略歴>
高市早苗(たかいち・さなえ)
1961年生まれ、奈良県出身。神戸大学経営学部卒業後、財団法人松下政経塾政治コース5年を修了。87年〜89年の間、パット•シュローダー連邦下院議員のもとで連邦議会立法調査官として働く。帰国後、亜細亜大学・日本経済短期大学専任教員に就任。テレビキャスター、政治評論家としても活躍。93年、第40回衆議院議員総選挙に奈良県全県区から無所属で出馬し、初当選。96年に自由民主党に入党。2006年、第1次安倍内閣で初入閣を果たす。12年、自由民主党政務調査会長に女性として初めて就任。その後、自民党政権下で総務大臣、経済安全保障大臣を経験。2025年10月4日、自民党総裁選立候補3度目にして第29代自由民主党総裁になる。本書は1992年刊行『アメリカ大統領の権力のすべて』を新装重版したものである。
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