日本は「ラブ&ピース」の時代に突入する。君もヒッピーにならないか?【適菜収】
【連載】厭世的生き方のすすめ! 第16回
◾️ゲバラに捧げた曲
ヒッピーを目指すなら、ついでに左翼になろう。
左翼とはなにか?
ひとことで言えば、近代主義者だ。近代の理想を追求するのを正義だと思っている人たちである。私は保守的な人間なので、左翼は苦手だが、ヒッピーになりたいならわがままは言っていられない。
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私は大学生の頃、チャーリー・ヘイデンのバンド「リベレーション・ミュージック・オーケストラ」の影響を受けた。ドン・チェリーやカーラ・ブレイ、ポール・モチアンといった仲間が集まり、解放を唱えた。チェ・ゲバラに捧げられた曲もある。そこで私は「リハビリテーション・ミュージック・オーケストラ」というバンドを結成し、「LMO」を名乗ったが、リハビリテーションの頭文字がRであることに途中で気づきプロジェクトは半年で頓挫した。
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10年くらい前、JR巣鴨駅近くの喫茶店でコーヒーを飲んでいると、眼鏡をかけた気の弱そうな少年が隣の席に座った。彼が鞄から取り出した本の背表紙が薄紫だったので、「お、中公文庫だ」と思い、よく見ると、ゲバラの『革命戦争回顧録』だった。同志か。こういうのはほほえましくていい。
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「犬のおまわりさん」という曲は新左翼っぽいよね。
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ちなみに、売国奴が保守を自称する倒錯したわが国では、共産党は比較的保守的に見える。個別の政策においてもそうだ。私は共産党の国会議員(清水忠史)と共著を出したこともあるし、「しんぶん赤旗」には私の大きなインタビュー記事が掲載された。維新の会が仕掛けた大阪市解体の是非を問う住民投票の際には共産党の街宣車に乗った。選挙では山添拓に投票してきたし、たつみコータローとは一緒に焼き肉を食べた。
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それでも私は合理主義・理性主義信仰は受け入れることはできない。進歩史観も幻想である。
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昔、左翼の学生が教授や職員をつるし上げ、「ナンセンス!」と浴びせかけた。あれなら私もやってみたい。相手がなにか言ったら「ナンセンス!」と叫ぶ。小泉進次郎に「ナンセンス!」と言ったら、食い物と勘違いされるかもしれないが。
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ヒッピーは自然食品が好きである。私もオーガニックな生活を続けている。しかし、食に対する不安をこじらせると、参政党のようなカルトに取り込まれる危険があるので注意が必要だ。
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無事ヒッピーになることができたら、今度はオルグして仲間を増やしてみよう。そしてコミューンを建設する。世論調査によると高市早苗政権の若年層の支持が急増しているという。夜明け前が一番暗い。新しい人よ眼ざめよ!
文:適菜収
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