「辞めジャニ」ツートップ、郷ひろみと田原俊彦に会ったときのこと。そして感じる、現代の闇深さ【宝泉薫】「令和の怪談」(9) |BEST TiMES(ベストタイムズ)

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「辞めジャニ」ツートップ、郷ひろみと田原俊彦に会ったときのこと。そして感じる、現代の闇深さ【宝泉薫】「令和の怪談」(9)

「令和の怪談」ジャニーズと中居正広たちに行われた私刑はもはや他人事ではない(9)【宝泉薫】

 

 一方、ジャニーズ騒動が起きてからの「辞めジャニ」については、謎が多すぎる。独立後、トラブルが発生したものの「示談が成立したことにより、今後の芸能活動についても支障なく続けられることに」なったはずの中居正広がなぜ引退に追い込まれたのか。さらに、国分太一の活動休止については、具体的な理由が何もわからない状況だ。

 そういう意味では、昭和より令和になってからのほうが、闇は深まっているのではないか。ジャニーズ騒動とその周辺、さらには松本人志の活動休止なども含め「怪談」と呼びたいのはそういうゆえんだ。

 

 それはさておき、郷ひろみや田原俊彦が「辞めジャニ」となったことで、はっきりと示された現実がある。ソロプロジェクトはそのひとりがいなくなった時点で終わってしまう、ということだ。グループならその点、メンバーがひとりやふたりいなくなっても継続できる。また、そもそも、ジャニーは少年たちが仲良くつるんでわちゃわちゃやっている光景を何より好んでいたようだ。

 そうしたこともあってか、ジャニーズは80年代中盤以降、ソロよりグループでという志向を強めていくことに。その路線変更により、ふたつの国民的グループが誕生する。SMAPと嵐だ。

 次回はこのふた組がなぜあれだけの存在になれたのか、についての考察である。

 

文:宝泉薫(作家、芸能評論家)

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宝泉 薫

ほうせん かおる

1964年生まれ。主にテレビ・音楽、ダイエット・メンタルヘルスについて執筆。1995年に『ドキュメント摂食障害―明日の私を見つめて』(時事通信社・加藤秀樹名義)を出版する。2016年には『痩せ姫 生きづらさの果てに』(KKベストセラーズ)が話題に。近刊に『あのアイドルがなぜヌードに』(文春ムック)『平成「一発屋」見聞録』(言視舎)、最新刊に『平成の死 追悼は生きる糧』(KKベストセラーズ)がある。ツイッターは、@fuji507で更新中。 


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