萬古焼職人が込めた温故知新の精神 <br />「家族団らんの風景を取り戻したい」 | BEST TiMESコラム

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萬古焼職人が込めた温故知新の精神 
「家族団らんの風景を取り戻したい」

第7回 三重県四日市市 萬古焼

寒い冬、鍋料理を家族で囲み、食事が終わると、お茶を飲みながら、会話を弾ませる。そんな日本の家族団らんに欠かせないのが、土鍋や急須だ。しかし近年では、ひとり用土鍋や様々な種類のティーパックなど、「お一人様」スタイルを充実させるアイテムが人気となっている。そんな現代社会で“家族団らん”を取り戻す、という夢を抱く職人がいた。

 

伝統を守り、“今”を取り入れることで
未来へ繋ぐことができる

 

 三重県四日市市の伝統工芸品である萬古焼(ばんこやき)は、江戸時代中期に生まれれ、明治時代後期ごろより、半磁器化での製作が進むと、萬古焼の食器や調理器具が広く支持されるようになった。現代でも国産シェア8割を占める土鍋は、その耐熱性が高く評価され、また、鉄分を含む紫泥(しでい)で作られた急須は、“もっとも美味しいお茶が味わえる急須”として有名だ。土鍋や急須以外にもお茶碗やグラタン皿、そして様々な花器と、萬古焼の作品は、幅広く自由な発想のもとで作り続けられている。

 

 そんな萬古焼の数々に触れられる、「ばんこの里会館」では、陶芸や絵付けが体験できるコースがあり人気を博している。館内で焼き物の魅力に触れたKさんもさっそく陶芸作りに挑戦し、そのむずかしさを体験。その後、長く萬古焼を作り続けている工房、醉月陶苑(すいげつとうえん)へと足を運んだ。

萬古焼について語る清水潤さん。

 ここで生まれる急須は、茶こしも同じ粘土で作られている。小さなドーム型の茶こし部分に300ほどの穴を空ける作業は非常に神経を使い、熟練職人の技を実感できる作品。
「美味しいお茶を飲んで頂くためにこだわった茶こしです。ずっとうちでは作り続けています」と話す醉月陶苑の清水潤さん。

 父である3代目醉月のもと弟の潮さんと共に活躍中。母のきし代さんも絵師として作品を作っている。

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寺野 典子

てらの のりこ

1965年兵庫県生まれ。ライター・編集者。音楽誌や一般誌などで仕事をしたのち、92年からJリーグ、日本代表を取材。「Number」「サッカーダイジェスト」など多くの雑誌に寄稿する。著作「未来は僕らの手のなか」「未完成 ジュビロ磐田の戦い」「楽しむことは楽じゃない」ほか。日本を代表するサッカー選手たち(中村俊輔、内田篤人、長友佑都ら)のインタビュー集「突破論。」のほか中村俊輔選手や長友佑都選手の書籍の構成なども務める。


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