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服用薬の量にうんざりしている日本人へ! 医師・和田秀樹が提唱「薬を減らして健康とお金を手に入れよう」

和田秀樹が教える「健康とお金が手に入る方法」(後編)

血圧測定の様子(イメージ写真:PIXTA)

 

■薬が減れば、手取りが増える

 

 和田先生は今夏の参院選で「薬を減らして手取りを増やす」をスローガンに幸齢党を結成。(※東京から無所属新人の候補を党の推薦という形で一人出馬し、当選はしなかった)。

 「薬を減らして手取りを増やす」という流れを説明してもらった。

 「ムダな薬を減らすと、年間の国民医療費50兆円が1~2割減らせるんです。その分の税金・健康保険料が減るから、その分、手取りが増える」

 例えば前編にあるように血圧の基準を160にした場合、6000億円以上が浮くという。

 「他の薬も科学的な研究に基づいて薬を出すようにして減らせば大体5兆円浮く。これは大櫛陽一先生(東海大学)が医療統計学で試算したデータです。私は2割の10兆円浮かせられると考えています」

 10兆円の場合、単純計算で1億人で割ると年間10万円増える。

 「この政策は選挙中どこのマスコミもまったく報じてもらえませんでした。製薬会社に忖度しているか知らないけど、特にテレビは薬を減らす政策をやる人たちを絶対に取り上げないんだなと今回の選挙ではっきりわかりました。しかも製薬会社の売上ベストテンのうち7社が外資ですから、外資を儲けさせるために飲む薬が増えているし、マスコミは以前から薬をたくさん飲むことの害も報じない」

 しかしマスコミが大スポンサーとの関係を重視するのは当然なのかもしれない。和田先生は薬を減らす医療を訴えるためには「当選するしかない」と言う。

 「そしたらテレビもイヤイヤながら私に話を聞かざるを得ない。テレビで私が話せば、国民に伝わると思う。そして前から薬の飲み過ぎに疑問を持っていた人たちがリアクションしてくれると。薬を減らす利点は2つあるんです。医療費を浮かせて保険料を減らせればみなさんの手取りに回せると話しましたが、それに加えて、薬の飲みすぎで害が出ている人が健康になること。これが第一」

 それまでは講演会など地道な啓蒙活動を続けるという。

 前編で触れた高血圧の薬を含め、自分と親の薬をチェックしたい。

 

構成:松野大介

和田秀樹(わだ・ひでき)

精神科医、作家、映画監督。1960年大阪府生まれ。東京大学医学部卒。精神科医。東京大学医学部附属病院精神神経科助手、米国カール・メニンガー精神医学学校国際フェローを経て、現在、和田秀樹こころと体のクリニック院長。高齢者専門の精神科医として、30年以上にわたって、高齢者医療の現場に携わっている。『70歳が老化の分かれ道『「人生100年」老年格差』(詩想社)、『80歳の壁』(幻冬舎新書)はじめベストセラー著書多数。2025年に政治団体「幸齢党」設立。

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[caption id="attachment_2895401" align="aligncenter" width="239"] 大櫛陽一 東海大学医学部名誉教授[/caption]

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松野 大介

まつの だいすけ

1964年神奈川県出身。85年に『ライオンのいただきます』でタレントデビュー。その後『夕やけニャンニャン』『ABブラザーズのオールナイトニッポン』等出演多数。95年に文學界新人賞候補になり、同年小説デビュー。著書に『芸人失格』(幻冬舎)『バスルーム』(KKベストセラーズ)『三谷幸喜 創作を語る』(共著/講談社)等多数。沖縄在住。作家、ラジオパーソナリティー、文章講座講師を務める。

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  • 大櫛陽一
  • 2024.02.14