【データが暴く】日本維新の会の支持層を食う「チームみらい」が停滞する日本政治を粉砕する!? 【林直人】

第2部
データが暴く「チームみらい」旋風の正体
〜数字で解剖する新勢力の支持基盤とは?
◆2-1 データソースと変数の操作化――全国1,700自治体を洗い出す「政治X線写真」
本分析は、日本全国の約1,700市区町村を対象に、選挙結果と統計データを徹底的に突き合わせた“政治のX線写真”だ。
・従属変数:チームみらい得票率
2025年参院選比例区におけるチームみらいの市区町村別得票率。総務省の公式統計という“動かぬ証拠”を用いた。
・独立変数:社会経済データ
e-Statから抽出した公的データで、住民一人当たり所得、学歴水準、人口密度、65歳以上人口割合、情報通信業や専門職従事者割合といった「社会の地殻変動」を数値化。
特に所得については、課税記録に基づく**“全数調査(センサス)”**を採用。調査バイアスを排したこの数値は、チームみらい支持が“高所得地域”と結びつくのかを検証するための鋭利なナイフとなる。
・独立変数:政治データ
2022年参院選の共産党・維新・自民・立憲の得票率を投入。これにより、チームみらいがどの党の票田を食い荒らしたのかを炙り出す。
つまり、ここで構築されたデータセットは、「日本の政治秩序を侵食する新勢力の正体」を数値で暴き出すための強力な兵器である。
◆2-2 パネルデータ分析――固定効果モデルという“真実の刃”
単なるクロス集計では見えない“隠された構造”を暴くため、本研究は市区町村固定効果モデルを採用した。
なぜか?
それは各地域が持つ独特の文化・政治風土・地理条件――つまり「土地柄」という見えないバイアスを徹底的に削ぎ落とすためだ。
このモデルは、2019年・2022年・2025年の複数の参院選を跨ぐパネルデータを扱うことで、「特定の地域で、チームみらいが登場したとき投票行動がどう変わったのか」を純粋に切り出す。
分析モデルはこう定式化される:
Anno_VoteShare2025_i = β0 + β1(Income_i) + β2(Education_i)
・β3(JCP_VoteShare_past_i) + β4(Ishin_VoteShare_past_i) + α_i + ϵ_i
ここでポイントはβ3とβ4。
・β3が負で有意なら、**「共産党の牙城がチームみらいに食い破られた」**ことを意味する。
・β4が正で有意なら、**「維新票がチームみらいに雪崩れ込んだ」**ことを意味する。
つまり、この回帰式こそが、日本政治における「世代間内戦」と「改革派の裏切り」の証拠」を突きつける真実の刃なのだ。