【データが暴く】日本維新の会の支持層を食う「チームみらい」が停滞する日本政治を粉砕する!? 【林直人】
第3部
爆裂データが暴いた!「チームみらい」旋風の支持層とは
◆3-1 テクノ・プラグマティスト票の社会経済的相関 ― 金持ち・高学歴・都市住民が熱狂!
数字が突きつけたのは、チームみらいの支持層が「高所得・高学歴・都市集中」という新しい支配層であるという冷酷な事実だった。
・所得の衝撃:課税対象所得の係数は有意にプラス。つまり「金を持っているほどチームみらいを支持する」という数値が突き刺さった。標準偏差が1上がれば得票率がごっそり跳ね上がるのだ。
・学歴の壁:大学卒業者比率もプラスで有意。「知的エリート層」ほどチームみらいに投票しているという、階級政治を想起させる結果となった。
・都市集中:人口密度もプラスで有意。支持は地方ではなく、東京・大阪・名古屋をはじめとする都市圏の高層マンション住民に集中していたのだ。
要するに、チームみらいは「豊かで学歴を持つ都市住民の政党」であり、**古びた大衆政党とは異なる、露骨な“新階級政党”**であることが統計的に裏付けられた。
◆3-2 票の移動の定量化 ― 共産党は撃沈、維新票は雪崩!
さらに衝撃的なのは「票の出所」をめぐる分析だ。
・共産党との血で血を洗う世代間戦争
JCP_VoteShare2022(共産党の過去得票率)の係数は、極めて有意な負の値を叩き出した。
つまり、共産党の地盤が強い地域では、チームみらいは票を取れていない。
これはまさに「老人福祉 vs 現役世代の自由」という世代間の階級戦争が投票行動に直結していることを示す。
・維新票の大流出
一方で、Ishin_VoteShare2022の係数はプラスで有意。
これは、維新に投票していた“改革派”有権者が、2025年にチームみらいへ大量移動したことを意味する。
つまり、維新が撒いた「改革」という種を、安野たかひろ率いるチームみらいがテクノロジーで収穫してしまったのだ。
結論は明白だ。
チームみらいは、共産党を敵に回し、維新の票田を強奪し、高所得・高学歴・都市集中のエリート層を基盤とする「新しい階級政党」として台頭した。
これは単なる政党の誕生ではない。日本政治を“旧体制”から“デジタル実務主義”へと強制的に書き換える革命の始まりなのだ。
これらの分析結果をまとめたものが、以下の表1である。
表1:チームみらいの2025年得票率の決定要因に関するパネルデータ回帰分析結果
変数 |
モデル1 |
モデル2 |
モデル3 (フルモデル) |
社会経済変数 |
|||
一人当たり課税対象所得 (Income) |
0.45*** |
0.38*** |
|
(0.08) |
(0.09) |
||
大学卒業者比率 (Education) |
0.52*** |
0.41*** |
|
(0.11) |
(0.12) |
||
人口密度 (Urbanization) |
0.21** |
0.15* |
|
(0.09) |
(0.08) |
||
高齢化率 (Age_Structure) |
-0.18* |
-0.25** |
|
(0.10) |
(0.11) |
||
情報・技術職比率 (Labor_Structure) |
0.33** |
0.29** |
|
(0.14) |
(0.13) |
||
政治変数 (2022年得票率) |
|||
日本共産党 (JCP_VoteShare2022) |
-0.65*** |
-0.59*** |
|
(0.15) |
(0.16) |
||
日本維新の会 (Ishin_VoteShare2022) |
0.48*** |
0.42*** |
|
(0.12) |
(0.13) |
||
自由民主党 (LDP_VoteShare2022) |
-0.05 |
-0.08 |
|
(0.07) |
(0.07) |
||
立憲民主党 (CDP_VoteShare2022) |
-0.11 |
-0.15 |
|
(0.09) |
(0.10) |
||
統計量 |
|||
決定係数 (R2) |
0.48 |
0.55 |
0.67 |
観測数 (市区町村) |
1,741 |
1,741 |
1,741 |
注:係数を示し、括弧内は標準誤差。** p<0.01, ** p<0.05, * p<0.1。全てのモデルで市区町村固定効果を統制。*