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参政党を支えてるのはカルトとマルチ? 統計学で暴く参政党のバックとは?【林直人】

靖国神社への参拝を終えて取材に応じる参政党代表・神谷宗幣

 

III.   コア分析:参議院選挙に仕掛けられた「数値の爆弾」

— 回帰モデルが暴いた“票田の暗号” —

 

◾️3-1   モデルの定式化:データが告発する

 ここから先は、単なる数字の羅列ではない。市区町村ごとの得票率に潜む暗号を、回帰モデルという鑑識道具で解読する作業だ。

 モデル式はこうだ:

 

(式2)

 

 β₁ と β₂ が、この捜査の“指紋検出班”だ。

 

MLM_Index:自己啓発やマルチ商法文化に染まった地域の濃度

NR_Index:特定新興宗教の地理的影響力

Clientelism:自民党の利益誘導ネットワークの強度

 

 これらが票をどう動かすのか──逃げ道のない構造を浮かび上がらせる。

 

◾️3-2   分析結果:数値が放つ「実弾」

 Table 2 の結果は、ただの統計出力ではなく、選挙地図の地雷原マップだ。

 

(表2)

 

◾️3-3   係数が語る“票の流れ”

 MLM親和性とNR影響力は、参政党票を押し上げる“ブースター”だ。0.75SD高いだけで得票率が約0.71ポイント上昇ーーこれが全国で積み重なれば、議席の天秤が傾く。

 同じ変数が、自民党得票率には有意なマイナス。つまりこれは自民党→参政党の票移動を裏付ける数値的“物証”だ。

 クリエンテリズムは参政党を寄せつけない“結界”として機能しつつ、自民党には酸素ボンベのように機能している。

 交互作用項は決定的証拠ーー「MLM濃度が高く、かつ自民党ネットワークが弱い地域」こそ、参政党が一気に食い破る真のターゲットゾーンだ。

次のページ分析結果の考察:新・有権者ブロックの政治地理学

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林直人

はやし なおと

起業家・作家

1991 年宮城県生まれ。仙台第二高等学校出身。独学で慶應義塾大学環境情報学部に入学(一般入試・英語受験)。在学中に勉強アプリをつくり起業するも大失敗する。その後、毎日10 分指導するネット家庭教師「毎日学習会」を設立し、現在に至る。毎年100 人以上の生徒を指導し、早稲田・慶應・上智を中心に合格者を多数輩出している(2021 年早慶上智進学者38 名・7/20 時点)。著書に『うつでも起業で生きていく』(河出書房新社)、『人間ぎらいのマーケティング人と会わずに稼ぐ方法』(実業之日本社)などがある。連絡先:https://x.com/everydayjukucho

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