【特報】“地獄のテーマパーク”ジャングリア――詐欺まがい広告、予約システム崩壊、雑踏地獄…なぜ政府は黙殺したのか【林直人】 |BEST TiMES(ベストタイムズ)

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【特報】“地獄のテーマパーク”ジャングリア――詐欺まがい広告、予約システム崩壊、雑踏地獄…なぜ政府は黙殺したのか【林直人】

【テーマパーク「JUNGLIA OKINAWA(ジャングリア沖縄)」記者会見】フォトセッションに臨む(左から)ジャパンエンターテイメントの森崎菜穂美CMO、株式会社刀の森岡毅CEO、石破茂首相、ジャパンエンターテイメントの加藤健史CEO

  

 国民は騙されたのか、それとも政府が見て見ぬふりをしてきたのか――。

  “日本初”を謳いながらオープンした巨大テーマパーク「ジャングリア」が、今、国家規模のスキャンダルに発展しようとしている。 

 

◾️「唯一無二」は大ウソ?  誇大広告のオンパレードに消費者庁は沈黙

 

 開業前から「世界最高の体験」「日本初のアトラクション」と豪語していたジャングリア。その実態は、故障続きのアトラクションと数時間待ちの地獄絵図。消費者の期待と現実の落差は尋常ではない。

 しかも、景品表示法が禁じる優良誤認・おとり広告・ステマの三重奏が横行していた疑いが濃厚だ。

 「『一日中楽しめる!』という広告を信じて来たのに、午後2時で主要アトラクションは全滅。詐欺じゃないですか?」(30代女性)

 消費者庁は「不実証広告規制」という強力な権限を持ちながら、なぜここまで放置してきたのか。ステルスマーケティング対策も「10月施行」などと言い訳している場合ではない。SNS上には、報酬付きPR投稿と疑われる絶賛レビューが不自然に拡散されている。

 政府よ、本当に「知らなかった」で済むのか?

 

◾️「チケット代返せ!」…泣き寝入りするしかない消費者

 

 チケット代8,800円。家族で行けば数万円。

 にもかかわらず、アトラクションにはほとんど乗れず、炎天下で何時間も待たされる――そんな悲鳴がSNSに溢れている。

 

開園した直後のジャングリア沖縄

 

 しかし現行制度では、被害者が個別に訴訟を起こすのは現実的ではない。まさに“泣き寝入り社会”だ。

 だが希望はある。特定適格消費者団体による「集団的被害回復訴訟」。あの「葛の花事件」では、表示違反を契機に返金が実現した。ジャングリアにも同様の展開があり得る。そして鍵を握るのは――消費者庁の「認定」だ。

 

◾️システム障害は常態化、返金拒否は規約トリック!?

 

 ジャングリアでは、予約・決済・入場・アトラクション案内すべてが“システム依存”。だが実際には、サーバーダウン、通信障害、QRコード読取エラーが連発。

  驚くべきはその対応。

 利用規約第9条1項には「システム障害によりサービスが提供できない場合、当社は一切責任を負いません」との一文が。【注】

 これは完全にアウトだ。

 消費者契約法では、債務不履行に対する損害賠償責任の「全面免除」は無効。ジャングリアの規約は、まさに法律を無視した“契約詐欺”だ。

 経産省よ、どこを見ていた?  DX推進だのガイドラインだのと言っても、現場がこれでは話にならない。

 

【注】

<利用規約第4条2項には「本パークの各施設、各アトラクション及び各サービスの利用条件、営業時間、営業内容及び休止情報等は予告なく変更する場合があります。」との一文がある。

さらに、第9条1項には「当社は以下のいずれかの事由が生じた場合、ゲストに事前に通知することなく、当社が必要と判断する期間、本パークの全部又は一部の運営を中止、中断、休止、変更、運営時間の変更(短縮等)、入場の制限又は臨時休業を行えるものとします。

安全上、システム上、各施設設備やインフラについて保守を行う場合

天災地変、火災、停電(計画停電を含みます)、交通機関の運休等により本パークの運営が困難になった場合

感染症のまん延、行政庁からの営業の縮小又は中止の要請、その他行政指導、当社の責に帰さない事由により本パークの運営が困難になった場合
その他当社が前各号に準じる事由が生じたと判断した場合」

第9条2項には「当社は、前項に定める各事項によりゲストに損害が発生した場合、当社の責めに帰すべき事由によらない損害については賠償責任を負わないものといたします。」と書かれている。

 

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林直人

はやし なおと

起業家・作家

1991 年宮城県生まれ。仙台第二高等学校出身。独学で慶應義塾大学環境情報学部に入学(一般入試・英語受験)。在学中に勉強アプリをつくり起業するも大失敗する。その後、毎日10 分指導するネット家庭教師「毎日学習会」を設立し、現在に至る。毎年100 人以上の生徒を指導し、早稲田・慶應・上智を中心に合格者を多数輩出している(2021 年早慶上智進学者38 名・7/20 時点)。

著書に『うつでも起業で生きていく』(河出書房新社)、『人間ぎらいのマーケティング人と会わずに稼ぐ方法』(実業之日本社)などがある。

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