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「真田三昧!」

季節と時節でつづる戦国おりおり 第264回

 11月だというのに雪が降り、急に冬らしくなりまたね。大河ドラマもいよいよクライマックスを迎え熱い展開、いやはやヒートアップした初冬となりました。

 そんな暑い熱い真田関連イベントのひとつ、大阪城天守閣の「特別展 真田幸村の生涯を彩った人たち」に行って参りました。タイトル通り、父親の真田昌幸、兄の信之、主君の武田信玄、豊臣秀吉から、徳川家康、上杉景勝、片倉重綱、片桐且元、淀殿、豊臣秀頼、石田三成、大谷吉継などなど、幸村(そういえば、大阪城天守閣さんは〝信繁〟ではなくあくまで〝幸村〟で行くんですね)の人生に関わった人々のゆかりの品々が一堂に会しております。

 特に加賀藩前田家の家臣だった富山の津田家に伝来する「大坂冬の陣図」。筆者は完全に初見です。合戦から程ない時期に作製されたとみられる簡略な図ながら、「真田出丸」の南、「篠山」の西の一帯が囲われ「この所、鑓場の様に承り及び候」と書き込みが。真田丸と篠山の間ではなく、現在の寺町の西南部の低所が幕府軍による真田丸攻撃の中心拠点となった可能性を感じさせてくれます。という事は、やはり西郭が最弱と見てそちらに攻勢の重点を置いたのかなぁ。

 

※天守閣正面の立看板。右上の伝秀吉所用陣羽織の図柄は、富士山とその噴火・噴煙を表す御神火。ジバニャンに非ず。
 

 

※日本晴れの空の下、観光客で大いににぎわう天守閣。外国人9割で日本人が少ないのが、歴史関係者としては残念です。
 

 

※大阪城天守閣さんの図録は本当にお値打ちでいつも感謝に堪えません。これも1,200円。きっちりと釈文も入っているのですから、さぞや部数が出るのでしょうね。
 

 

 さて、その夜は映画館のレイトショーへ。中村勘九郎主演の「真田十勇士」です。同名の舞台と同じ内容ですが、真田丸の戦いのシーンは、ある意味ある部分に限っては大河ドラマのそれよりもリアリティがあったりして、とても楽しめました!ただし、穴山小助のいない十勇士は認めない派です(笑)。

 以上、真田漬けの一日、おしまい!
 

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橋場 日月

はしば あきら

はしば・あきら/大阪府出身。古文書などの史料を駆使した独自のアプローチで、新たな史観を浮き彫りにする研究家兼作家。主な著作に『新説桶狭間合戦』(学研)、『地形で読み解く「真田三代」最強の秘密』(朝日新書)、『大判ビジュアル図解 大迫力!写真と絵でわかる日本史』(西東社)など。


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