ズバリ、アメリカが勝てない戦争とは何か?

  アメリカというのは破壊力(Destructive power) では世界最強なのに対して、占有力(Occupational power)ではどうしようもないほど弱いのです。

   だから、ハイチ動乱やグレナダ侵攻、パナマ侵攻の時のノリエガを捕まえたような、はっきり言って、戦争とは言えないマフィア退治レベルの話を除けば、対日・対独戦争以後、まともに勝てた戦争はありません。

   ベトナム戦争でも、みっともない負け方をしています。

   戦争の勝利というのは戦闘の勝利を講和に結びつけることであり、戦闘で勝利するためには最後には占有力がないといけないので、陸軍でも海兵隊でも空挺隊でも、要は、地上兵力が必要です。

   ところが、湾岸戦争でもアフガン紛争でもイラク戦争でも、相手を負かすまでは強いのに中途半端に引き上げてグダグダになるという、全て同じパターンです。

    イラク戦争のときは、実は最初には最精鋭の四個師団を送っていました。

    よりによって、そんな部隊が行かないと戦ができないのかと思いますが、結局そのあと、地上軍は現地人にやらせればいいということで、陸軍をどんどん減らしていって、同じことの繰り返しになっています。

    バルカン紛争にいたっては一回も地上軍を送っていません(詳しくは、KKベストセラーズの『世界大戦と危険な半島』をお読み下さい)。

   これをみると分かるように、本来、モンロー主義を自認する引きこもり体質のアメリカの本音はユーラシア大陸から手を引きたいということです。

※2016年7月に刊行された『大間違いのアメリカ大統領』より