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水道橋博士 「大人が夢を持てない社会を作った」若者に寄り添う

Q21.夢を持てない若者が増えています。なぜだと思いますか?

オレだって夢があったわけじゃなく…

 

 ひとことで言うと、我々大人が若者が夢を持てない社会を作ったんでしょうね。少子化で社会全体が縮小していて、右肩上がりで経済が上がっていかないから。日本の「失われた20年」という経済的な停滞というものがあって、結局、自分が結婚できるのか、結婚しても子供が育てられる自信がないという世代的な不安を反映する状況になってしまっているんですね。

 経済成長がほとんどない中では、社会に将来的に不安しか広がらないという現状になってしまってる。だから社会の中のマスの人たちの平均値をとると、夢がない人たちが多くなるものしょうがないのかもしれない。

 でも、今だって海外留学する人もいるし、起業する若い人や、リオ五輪でもあれだけメダルだってとっているわけで、一概に「若者に夢がない」とは言えないけどね。むしろ、夢を持ち、大胆な行動をとる若者は、昔に比べて、逆に目立ってる。

 たけしさんも「若者に夢を持てと言うのは無責任すぎる」とよく言いますけど、オレも若い人たちに一概に夢を持てとは言いたくないです。オレ自身を振り返っても「夢」=「成功シナリオ」なんかもっていたわけじゃなく、本当に自分みたいな引っ込み思案が「芸人」になれると思っていたわけじゃなかったですから。ただ、たけしさんの人生をなぞろうとして、芸界に飛び込んで、過去を捨てて、一歩踏み出しただけなんです。

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水道橋博士

すいどうばしはかせ

1962年岡山県生れ。ビートたけしに憧れ上京するも、進学した明治大学を4日で中退。弟子入り後、浅草フランス座での地獄の住み込み生活を経て、87年に玉袋筋太郎と漫才コンビ・浅草キッドを結成。90年のテレビ朝日『ザ・テレビ演芸』で10週連続勝ち抜き、92年テレビ東京『浅草橋ヤング洋品店』で人気を博す。幅広い見識と行動力は芸能界にとどまらず、守備範囲はスポーツ界・政界・財界にまで及ぶ。芸能人の中でいち早く始めたブログ、ツイッターなどでの情報発信も盛んに行っている。



公式ブログ「博士の悪童日記」:http://blog.livedoor.jp/s_hakase/



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