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 「ミニマリズム」のあとの「エネルギー」

「最小限主義の心理学」不定期連載第3回

 ●ミニマリズムの定義

 簡単に言えば、私は家における自分のミニマリズムの定義を、「ホテルやコテージのような空間にする」としている。

 リビングに物が少なく、基本的に飾り物がなく、本やCDなどのマテリアル・ポゼッション(物質的所有)がない状態にすること。

 まるでコテージに泊まりいった時のような爽快感を、家で毎日感じることができるようにしている。

 だから、私ではないが、「外にトランクルームを借りて物を置いて、リビングに物がない状態にする」こともいいと思う(ミニマリストの間では共感されないかもしれない)。

「自分の家は物で溢れてるけれども、別荘は物がなく、週末はいつもそこで過ごす」のもミニマリスト的感性だと思う。

 ミニマリズムを実践して良かったことは、モノの執着を解くことで、「何でもない自分」を認識し、「空(くう、から)の空間」の意味を知ったことだ。

私は「自分」だと思っていた過去やモノとお別れし、「自分が他人よりも優れた人物で ありたい」という欲求を捨てた。

飾られた部屋よりも、人を受け入れる空の空間の素晴らしさに気づき、毎日そういった空間で時を過ごしている。

 というと格好がいいが、それは事実であり、事実でない。

ミニマリズムで縮小されたかに見える私のエネルギーは、どこかで使われ、満たされている。

 ● モノはあまり買わないけれど、モノについて考えている

 たとえば、キャンプ。

 ミニマリズムを実践してから買ったキャンプ道具。

他のキャンパーに比べれば道具は少ないけれど、欲しいキャンプ道具はこれからもずっとあるはず。

 車。何かを追加して買う、というものはないけれど、エンブレムを付けたいなとか、こういうデザインに近づけたいなとか、思うことはいっぱいある。それが楽しい。

最小限主義としては、何も付けていない買ったままの姿がいいはずだけど、「何か足りない」と思うこともあるのだ。

 私はヨーロッパのリゾート・バカンス的イメージが好きで、それにはアルファ・ロメオやアバルトといったブランドで使われるようなグラフィックのエンブレムがあればいいと、日々考えている。

 そうやって、他人にはどうでもいいことを考えて楽しんでいる。

 モノはあまり買わないけれど、そうやってモノについて考えているのだ。

 本当に買いたくなったら、買う。

 

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沼畑 直樹

ぬまはた なおき

ミニマリスト。テーブルマガジンズ代表。元バックパッカー。

2013年、「ミニマリズム」「ミニマリスト」についての記事を発表し、佐々木典士氏とともにブログサイト≪ミニマル&イズム(minimalism.jp)≫をたち上げる。 著書は、小説『ハテナシ』、写真集『ジヴェリ』『パールロード』(Rem York Maash Haas名義)など。


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