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4年間の短命に終わった小牧山城の役目

美濃侵攻を見据えて移転した・小牧山城 第4回

織田信長肖像画(写真提供/アフロ)
 
天下統一を目指す過程で、最もTPOに適した場所に城を移していった信長。先進かつ合理的だった移転の狙いとは? 歴代の居城をたどってみる。

 

信長は、小牧山城を本拠地として美濃への侵攻を繰り返した。そして、ついに永禄10年(1567)8月15日、稲葉山城は落城し、信長は翌年に井口を岐阜と改めて移住することとした。これにより、小牧山城は約4年間という短い役目を終え廃城となった。新城として築城された城であったが、信長はここにも飽きたらず新しい天地を求めて移動したのである。 

信長の死後は、天正12年(1584)の小牧(こまき)・長久手(ながくて)の合戦で徳川家康・織田信雄(のぶかつ)軍が、その戦略的拠点としての重要性から本陣を置いたとして知られている。城はこの時に信長段階の城を大規模に改修し、土塁や堀、石垣などが築かれた。陣は半年間機能していたが、豊臣秀吉との間に和議が成立し廃城となっている。 

江戸時代には尾張藩領となり、現在を迎えている。なお、現在山頂にある模擬天守は、聚楽第(じゅらくだい)の「飛雲閣」をモデルとし昭和42年(1967)に小牧市歴史館(注)として建てられたものである。

近年、『史跡小牧山整備計画基本構想』(小牧市)に基づく発掘調査が続けられており、次第に城の詳細が明らかになりつつあるが、その全体像が明らかになるのはもう少し先のことになるだろう。(了)

 

(注)小牧市歴史館

入館料/ 大人100円、小人(小学生・中学生)30円 、団体(30人以上)の場合は(大人60円・小人20円) ※土・日・祝日は小人の入館無料

開館時間/午前9時~午後4時30分(入館は午後4時15分まで)

休館日/第3木曜日(但し、祝祭日の場合は翌平日)、年末12月29日から31日まで

 

(注)小牧市歴史館

入館料/ 大人100円、小人(小学生・中学生)30円 、団体(30人以上)の場合は(大人60円・小人20円) ※土・日・祝日は小人の入館無料

開館時間/午前9時~午後4時30分(入館は午後4時15分まで)

休館日/第3木曜日(但し、祝祭日の場合は翌平日)、年末12月29日から31日まで

 

(注)小牧市歴史館
●入館料/ 大人100円、小人(小学生・中学生)30円 、団体(30人以上)の場合は(大人60円・小人20円) ※土・日・祝日は小人の入館無料
●開館時間/午前9時~午後4時30分(入館は午後4時15分まで)
●休館日/第3木曜日(但し、祝祭日の場合は翌平日)、年末12月29日から31日まで

 

●小牧山城データ

城の種類/山城
所在地/愛知県小牧市堀の内1-1
築城年/永禄6年(1563)
施設/御殿、本丸、櫓、土塁、堀等

 

文/木戸雅寿(きど・まさあき)

1958年神戸市生まれ。奈良大学文学部史学科考古学専攻卒業。広島県草戸千軒町遺跡調査研究所、滋賀県安土城郭調査研究所を経て、現在滋賀県教育委員会文化財保護課。専門は日本考古学。主な著書に『よみがえる安土城』(吉川弘文館)、『天下布武の城 安土城』(新泉社)等。

 

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