◆パークにかけられた、目に見えない魔法
 ディズニーシーの景観の特徴のひとつが、私たちゲストの「既視感(デジャヴ)」をうまく利用しているところ。ディズニーシーには、テレビや雑誌などの何かしらのメディアで見た事がある光景、というのが必ず存在するのである。
 例えば、地中海といえば美しい港街の風景、豪華客船といえばタイタニック号、ニューヨークといえば華やかなブロードウェイ、ジャングルの奥地の神殿、アラビアの砂漠の中にある宮殿やオアシス……といった光景は、実際に訪れた事がなくても、私たちの頭の中で思い出される光景ばかりだろう。
 このような「どこかで見た事があるような風景」を具現化し、パークに広がる7つのエリアのメインテーマとしているところがディズニーシーのすごいところなのである。

シーではベネチアの街並みをイメージしてつくられた景観が楽しめる。実際に運営されているアトラクション「ヴェネツィアン・ゴンドラ」は人気。
ニューヨーク・ブロードウェイを模したエリアでは、建物をよく見ると演劇養成所などが見つかることも。

 そのためディズニーシーを初めて訪れるゲストにとっても、「自分の心の中のどこかにある光景」が目の前に広がっているため、エリアの物語に自然に入り込みやすくなっているのだ。これは「記憶を利用した、目に見えない魔法」がかけられているとも言ってもいいだろう。

◆大人の舌も満足させる料理と充実したアルコール類
 また、なんと言ってもディズニーランドとの最大の違いは、こだわりの料理とアルコールが楽しめる事。
 ディズニーランドで提供される、色鮮やかなキャラクターモチーフのフードや、季節のイベントに合わせた色とりどりのフードはとても可愛いらしいが、ある程度舌の超えた年代になると、物足りなくなってくるのも事実。
 その点、ディズニーシーでは、ある程度の金額を出すことになるが、飲食に関しては満足できる品質のレストランも多い。
 また、景観ひとつをとってもさまざまなこだわりが込められているディズニーシーでは、水辺の静かなベンチでつまみを食べながらアルコールを飲み、美しい風景の中で同行者とゆっくり語り合えることも魅力のひとつ。
 ディズニーシーを楽しむには、「慌てず、焦らず、ゆっくりと」というのもポイントのひとつと言えるのではないだろうか。