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武田双雲に学ぶ、人に注意をするときのコツとは?

『伝わる技術』(ベスト新書)刊行記念集中連載【第三回】

◆自身の経験から学んだIメッセージと「現行犯逮捕」の重要性

 実は僕はこれをサラリーマン時代に、注意される側として実感してきました。それ以来、真似するようになったのです。
 NTTで営業マンをしていた頃、同期に細田君という人がいて、僕はけっこう仲が良く、一緒に食事をしたり、くだらない雑談で盛りあがったりしていました。
 いつものように、ランチタイムか何かで、わいわいと笑い合っているとき、細田君が突然、僕にいってきたのです。
 「あ、武田。それ、オレやめたほうがいいと思う。傷つく人けっこういると思うんだよ」最初はなんのことかわからなかったのですが、僕はそのとき、細田君のほうに指をさしていたんですね。「お前さ」「細田~」といったように親しく相手を名指しするとき、思わずビッと相手を指さししていたわけです。
「え、そうなの?」と人の気持ちが読めなかった僕は、最初は戸惑いました。
すると細田君は「いやいるから。オレちょっと傷ついているから(笑)」と教えてくれたのです。それ以来、僕は、話しながら相手を指さすのをやめました。
 同時に、注意するとき、叱るときは細田君がいってくれたように「僕はこう思うから」というIメッセージを入れようと決めたのです。そのほうが、伝わるから。
 あともうひとつは、「現行犯逮捕」ということも、叱る、注意するときの必要条件かもしれません。細田君の例もそうですが、「それ、ダメ。イヤだ」とその瞬間に注意してくれているから、素直に聞ける。
 そのときはいわずにあとになって、「2年前のあの指さし。実はすげえイヤだった」といわれたら、なんだかこっちもイヤですよね。「そのときいってよ!」と思う。言い難かったのかもしれませんが、かえってへこみます。
 というわけで、叱るときは「Iメッセージ」と「現行犯逮捕」のダブル使いでいきましょう。そのほうが、確実に相手に響く。“僕は”そう思いますよ。

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  • 武田 双雲
  • 2016.06.09