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若いうちから先々も稼げる準備 「鶴太郎流」 に学ぶ “好き” を仕事にする方法【松野大介】

先を見通しながら、臨機応変に時代を乗り切っていくレッスン

(3) ものとの出会いを見逃さない

「先々も続ける好きなこと、興味のあること」に繋がる話です。鶴太郎さんは沖縄を舞台にした朝ドラ「ちむどんどん」で三線を弾く役を演じることになり、66歳で初めて楽器を練習。ドラマが終わっても、三線を続け、沖縄での講演会では最後に三線を弾いて大盛り上がりしたと聞きました。
 役作りで取り組んだことは、撮影が終われば手放すのが普通です。自分のやりたいことではなく、スタッフに頼まれて始めたことですから。
 続ける理由について「三線が好きになった」とおっしゃってましたが、私は次の一言が印象的でした。「人から頼まれたことでも、きちんと前向きに取り組めば自分のものにできる」。
 サラリーマンにとっては、「自分がものにできることとの出会いを見逃さないこと」が重要だと私は思います。誰でも何気ない日常の中で、実はいろんなものと出会っています。外を歩けば目に入る人々の服装、建築物、看板、公園や自然。音楽を聴いたり、アートや映画を観たり、スポーツしたり、食べたり、同僚や友達と会話やメールしたり。様々なものが自分の前を通過し、体験もしています。
「興味を持てるものを見逃してないか?」「自分にできることを振られたのに気づいてないのでは?」と意識して暮らしてみると、この先にやれることが見つかる可能性が膨らむはずです。付加価値ですが、日常が楽しくなりますよ。鶴太郎さんはお店に入ると壁の絵を見たり、器やカップなどもよく見るといいます。
「ものを見る」ところから、「自分のものになる」ことが始まる。そこから新しいアイデアや新しい仕事が芽生えていくと思います。

◾️まとめ

 端的に3つお話ししましたが、現役世代のうちから「自分を変える」「先々を見越す」「自分に出来ることを見逃さない」ことが、この先の働き方、生き方に大事かと思います。
おじさんからの助言「妄想してるうちに気づくと還暦世代になります」。

(参考資料)
片岡鶴太郎「老いては「好き」にしたがえ!」(幻冬舎)

 

文:松野大介

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松野 大介

まつの だいすけ

1964年神奈川県出身。85年に『ライオンのいただきます』でタレントデビュー。その後『夕やけニャンニャン』『ABブラザーズのオールナイトニッポン』等出演多数。95年に文學界新人賞候補になり、同年小説デビュー。著書に『芸人失格』(幻冬舎)『バスルーム』(KKベストセラーズ)『三谷幸喜 創作を語る』(共著/講談社)等多数。沖縄在住。作家、ラジオパーソナリティー、文章講座講師を務める。

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