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被爆国家である日本こそ核武装すべき

いま誇るべき日本人の精神 第2回

世界で唯一の被爆国家だからこそ核武装をしなくてはならない。その権利が日本にはある。外交評論家の加瀬英明氏から話を聞いた。

  明治以後、日本が台湾、朝鮮半島を領有して、帝国主義の道を辿ったのは、独立を守るために、アメリカをはじめとする西洋の帝国主義諸国に対抗しなければならなかったから、避けられなかったことだった。

 

 公明党が一九六七(昭和四十二)年一月の総選挙で、はじめて衆議院に進出し、二十五人を当選させた。翌月に、院内ではじめて代議士会を開いた時に、「日本も国民を守るために、最強の防衛力を備えねばならない。核武装すべきだ」という提言が論じられた。
 十七年前に、西村真悟防衛政務次官(当時)が、国会で核兵器について論じるべきだと発言したために、更迭される事件が起こった。どうして論じてはならないのだろうか。

 三十年前だったら、どうだっただろうかと、思った。
 石原慎太郎氏が、一九六八(昭和四十三)年に、初めて全国区から参議院議員選挙に立候補した時には、日本の核武装を公約として掲げた。それにもかかわらず、史上かつてなかった三百万票を大量獲得して、当選している。

■もしも日本が原子爆弾を持っていたら

 私は、トルーマン大統領が一九四五(昭和二十)年八月に、広島、長崎に原子爆弾を投下することを決定したホワイトハウスの会議に出席した、ジョン・マクロイ元陸軍長官と、夕食をとったことがある。
 私は広島、長崎に対する原爆投下を話題にして、「もし、あの時、日本が原子爆弾を一発でも持っていて、アメリカのどこかに落とすことができたとしたら、日本に核攻撃を加えたでしようか」と、質問した。

 小人数の夕食会だった。『ニューヨーク・タイムズ』の大記者と呼ばれた、ジェームズ・レストンも招かれていた。
 すると、レストンが驚いて、私に「なぜ、そんな当たり前のことを質問するのか。きかなくても、答が分かっているだろうに」と、口をはさんだ。
 私は「これまで原爆投下の決定に参画した人に会ったことがないので、確かめてみたかった」と、答えた。
 すると、マクロイが「もちろん、君も答を知っているだろう。もし、日本があの時に原爆を一発でも持っていたとしたら、日本に対して使用することは、ありえなかった」と、いった。

 それ以来、私は日本は世界で唯一つの被爆国として、あの惨劇を二度と繰り返さないために、核武装すべきであり、どの国よりも被爆国家として、そうする権利があると、信じてきた。
 私は広島の平和記念公園の慰霊碑を詣でるたびに、「過ちは二度と繰り返しません。安らかにお休み下さい」という碑文を、核兵器を持たないために、悲惨な核攻撃を招くような過ちを、繰り返しませんという、誓いの言葉として読むべきだと、思う。
 日本が平和国家であれば、核兵器を持ったとしても、核攻撃を防ぐ抑止力として用いられ、外国を攻撃することはない。

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加瀬 英明

かせ ひであき

1936年東京生まれ。外交評論家。慶應義塾大学、エール大学、コロンビア大学に学ぶ。「ブリタニカ国際大百科事典」初代編集長。1977年より福田・中曽根内閣で首相特別顧問を務めた。日本ペンクラブ理事、松下政経塾相談役などを歴任。著書に『イギリス 衰亡しない伝統国家』(講談社)、『天皇家の戦い』(新潮社)、『徳の国富論』(自由社)、『アメリカはいつまで超大国でいられるか』(祥伝社)、『中国人韓国人にはなぜ「心」がないのか』、『大東亜戦争で日本はいかに世界を変えたか』、『いま誇るべき日本人の精神』(ともにKKベストセラーズ)など。



 


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