大川隆法総裁急逝「今からでも間に合う!幸福の科学入門」(前編)【もっちりーま】 |BEST TiMES(ベストタイムズ)

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大川隆法総裁急逝「今からでも間に合う!幸福の科学入門」(前編)【もっちりーま】

宗教二世問題から考えるべきこととは(前編)

 

1-3. 職員も一般信者も何も聞かされていない

 ほとんどの職員は信者と同じように報道で訃報を知ったようですが、信者から問い合わせがきても何も聞かされていないので、「何があっても大丈夫です!」と祈るしかなく、数日経っても本部内では次の指導者や訃報の伝え方が固まらず、信者たちは復活を祈り続けているのだと思います。

 今後の体制が整う前に訃報がマスコミに流されたことや、元妻のきょうこさんが再び表に出た(長男宏洋さんのYoutubeLIVEに登場したり、新潮のインタビューに答えている)ことも見ると、何かしら教団内でも動きがあることは間違いありませんが、それらをカルト問題として取り上げることはなるべく避けるべきです。信者やその家族、教団と社会という現場レベルで実際に起きているカルト問題は、教祖家族や教団中枢の実態とはほとんど関係なく起きており、信者にとっても教団中枢の実態と信仰心は関係ないものだ(という教義になっている)からです。

 また、元妻のきょうこさんも長男の宏洋さんも現在は教団と全く繋がりがなく、人望があったなら情報を流したり、陰で協力したりする人もいたと思うのですが、残念ながらお二人とも公開されている情報やネット上の憶測までしかリーチできていません。

 さらに、メディアや教団から距離を取っている他の家族や、ただのサラリーマンである職員のプライバシーには配慮するべきだと考えます。一時期教団の運営者として、ある意味加害者だったといえる立場だったとしても、社会にその人を受け入れられる居場所がなければ、どんなに教団に違和感を抱いても離れることができなくなってしまいます。

 

1-4.実はどうでもいい後継者争い

 今の教団内にはこの規模の教団をまとめることはもちろん、方向転換したり分派を作る能力や人望を持つ人はいません。元から政治、教育、国際分野での不採算事業が大きくなりすぎ、財政的にもカツカツだったので、今後教団の規模や活動が縮小していくことは間違いなく、後継者争いは一般の信者にとってはほぼ影響のない、どうでもよいことなのです。

 

「那須精舎の写真。右に見える金色の「大ストゥーパ」は隆法氏のお墓として作られた。左の白い建物は文珠菩薩堂、つまり元妻きょうこ氏が入るお墓として作られたが、きょうこ氏がユダ認定を受けてからは「世界伝道記念堂」として使われている

 

■2-1. 総裁先生との思い出

 世間が注視していかなければいけないのは「後継者が誰になるか」よりも、カリスマ教祖を失った信者たちが、これまでの教義や方針を独自に解釈し始め、どのように行動するのか、です。

 「復活」の奇跡を祈り続けてしまう信者を理解するためには、基本教義から理解する必要があります。幸福の科学の基本教義は “「愛」「知」「反省」「発展」の「四正道」(feat. 仏教の八正道)という「幸福の原理」を日々究める(「正しい心の探究」) ” ことです。

 これが1987年に説かれてから今まで変更されたことはなく、創立初期の入会資格が「日々自らの正しい心を探究する知性を有する者」に限られ、小論文試験(隆法氏の著者を10冊読みレポートを書く)があったことからも重要性がわかります。

 ただ、教義やざっくりとした歴史を詳しく説明するのはまた今度にして、今回は、これまでにどんな法話が説かれ、どう教団運営が行われてきたのかをなんとなくイメージしてもらうために、個人的な「総裁先生(隆法氏)との思い出」を書きたい思います。

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もっちりーま

もっちりーま

幸福の科学学園高等学校卒業。慶應義塾大学卒業。現在トルコの大学の大学院で修士課程。専門は比較文化、比較教育、思考表現スタイル。アンカラ大学にてトルコ語修了(C2)EDEP(イスラーム学卓越教育センター)奨学生。https://twitter.com/Haruharuzo

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