素晴らしき一週間が終わる<br />お笑い芸人・杉浦双亮の挑戦記<8> |BEST TiMES(ベストタイムズ)

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素晴らしき一週間が終わる
お笑い芸人・杉浦双亮の挑戦記<8>

「連投いけそうですか?」コーチの一言で気付いたトライアウトの意義

言われた言葉「やる気、見せないと」

加藤コーチはちょっとビックリしたような、そんな顔をしていた気がする。突然のことでちゃんと覚えていないのだけれど……。

「気持ちがあれば大丈夫ですよ。プロでやるんだったら、やる気、見せないと」

そんなふうに返された。そこで僕ははっとした。

「そうだ、ここはトライアウトの場だ。真剣勝負の場なんだ。みんな必死にやっている。俺は体の心配半分、楽しい半分できていたけれど、もっとアピールしなきゃだめだ」

もちろん、野球を楽しむこと自体は悪いことではなかったと思う。でも、体の心配があったり、みんなと夢を共有できたりと、良くも悪くも自分のなかでどこかアピールの場であることを忘れていた部分があった。

きっと加藤コーチはそれを見透かしていた。
プロになりたいという必死な姿も見てみたい。
そんなメッセージだったんじゃないか、と勝手に解釈し、感謝している。

そして、この一言は僕に勇気も与えてくれた。

「あれ? もしかしたら少しは注目してもらえているのかもしれないぞ」

そんな感覚だ。
成績は悪くなかった。そこには自負があった。一方で若い選手と比べれば、球速や体力といった部分には差があるとも感じていた。受かるか受からないか、といえば願望で受かったらいいな、としか言えない現実があった。
「見てもらっていた」ことはそんな僕に少し、希望をくれた。

ついに最終戦が始まった。

次のページ最後の登板、マウンドでの気持ち

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杉浦 双亮

すぎうら そうすけ

1976年2月8日東京都八丈島出身。趣味はスポーツで体を動かす、地図を見る、天気を見る。特技は、球技全般(特に野球のピッチングは芸能界1の自信)、モノマネ。



オフィシャルブログ:http://ameblo.jp/360monkeys/ ツイッター:@sugiurasousuke


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