《生涯独身率》男性25%/女性16% 「パートナーが欲しい」36% 40歳~60代までのパートナーの必然性とは【松野大介】 |BEST TiMES(ベストタイムズ)

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《生涯独身率》男性25%/女性16% 「パートナーが欲しい」36% 40歳~60代までのパートナーの必然性とは【松野大介】

■パートナーが欲しい人の4割が「残りの人生を楽しむ相手が欲しい」

 

「パートナーとの関係で最も望むもの」は、

・法的な結婚     43.1%
・事実婚(籍は入れていないが一緒に暮らしている)11.2%
・通い婚・別居婚(同居せずお互いの家を行く) 13.5%
・恋人 18.4%

 大きく分けると、「結婚」43%、「それ以外のつきあい」43%ほどと、結婚を望む、望まないがほぼ同じ。年代別では若いほど(といっても45歳からですが)結婚を望む。

 「パートナーが欲しい理由」の1位は

「残りの人生を楽しむ相手が欲しい」(41.9%)

「パートナーにどのような条件を求めるか」は、

「価値観が合うこと」55.6%で最高。

 次に「話が合うこと」「金銭感覚」。

 壮年期(40~64歳)の「価値観が合う」の意味合いは若者のような「音楽の趣味が合う」ことだけではないだろう。

■壮年がパートナーに求めるもの

 

 シニア向け番組で以前、「新たなパートナーを求めて! シニアの婚活最前線」を特集していた。
 平均寿命が伸びる今、新たなパートナーとの出会いの場である婚活パーティーが盛んだと言う。60代の男が50代の女性と出会ってデートしたり、中には生活を共にするカップルも誕生。観た限り、くたびれたおじさんとおばさんだが、切実に相手を探し求め、これからの人生をより良く生きたい姿勢が見えた。
 籍を入れたり入れなかったり、恋人になったり、単なる茶飲み友達だったり(考えたくないが高齢のセフレだったり)人それぞれ求める関係性は違えど、壮年世代のパートナーに求めるものは何なのか。
 それは2つの「支え」だと私は推察する。

 (1)心の支え
 (2)社会的な支え

 (1)は、ひとりで生きていく孤独からの解放。人間は寂しがる動物だ。ひとりで日常を暮らすのが空虚で、ひとりが好きなタイプでも、老いるまでひとりで生き続けるには強さがいる。人肌が恋しいし、年齢的にセックスはしなくても、人生を共有できる相手が存在することに生き甲斐を持てる。
 それはいつの時代でも普遍的な感情だが、現代の寂しさは昔と異なる。肉親が離れ離れで、しかも年を取るとそれほど仲良くなくなり、遺産や金銭のもめ事も起きたりし、信用し合わない身内も多い。近所付き合いはほぼ無く、会話のないコンビニやネットでの購買など社会全体に人との関わりに暖か味や繋がりがない。その2つの傾向が、ペットを飼う独り暮しの高齢者を増加させたと私は見る(犬や猫しか信頼関係が得られない高齢者がいる)。
 そんな現代的な、自己確認する「他者」がいない寂しさを、パートナーは取り除いてくれる。

(2)は単純で、社会の中で孤立せず、肉体的に助け合う支え。主に女性は重い荷物運びの類から、危険から身を守られることも含む。今後の生活、老後の備えなど金銭的な支えを求めるケースもある。
 (1)の欲求は、子どもや孫がいるかが左右するし、(2)の欲求は、キャリアのある仕事や趣味の世界で広い人間関係を持ち、金銭的に余裕がある女性なら、あまり求めないかもしれない。(40代でバリバリ働いて金銭的余裕があり、子どもと暮らす充実したバツイチ女性には男不要論の人が目立つ。そういう女性も60代になれば心境が変わるだろうが)

 個人的な見解ですが、壮年のパートナーの定義は「恋愛対象」「現代的な寂しさの解消」「老後を含む社会的な支え」を満たす人と私は考える。3つは個人差と年代差で優先順位が変わるだろうが、大切なのはすべてが〝1人の相手〟により成されること。
「価値観が合う」とは、パートナーに求めるものが合致するという意味だと思う。単なる話し相手を求める男と、老後の生活まで視野に入れた女ではうまくいかないだろう。

 昨今の中高年の婚活パーティー流行りは、パートナーを求める壮年者の多さを可視化したと言える。壮年の恋愛には過去に例のない心と社会問題のシンクロがあり、私なりにユニークに分析し、考えていきます。

 

文:松野大介

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松野 大介

まつの だいすけ

1964年神奈川県出身。85年に『ライオンのいただきます』でタレントデビュー。その後『夕やけニャンニャン』『ABブラザーズのオールナイトニッポン』等出演多数。95年に文學界新人賞候補になり、同年小説デビュー。著書に『芸人失格』(幻冬舎)『バスルーム』(KKベストセラーズ)『三谷幸喜 創作を語る』(共著/講談社)等多数。沖縄在住。作家、ラジオパーソナリティー、文章講座講師を務める。

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