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「950ドル以下の万引きはお目こぼし」サンフランシスコ事情の背景【藤森かよこ】

弱者救済策? コロナ危機とBLM運動の不幸な派生現象? どうせ守れないなら無駄に厳罰化しない?

 

■外国の現象を報道する難しさ

 

 私は、かつての教え子からのメイルを読み、サンフランシスコでは万引き犯は堂々と万引きするらしいと知って、こんな奇妙奇天烈なことをなぜ日本のメディアは報道しないのだろうかと不思議だった。

 だから、今のサンフランシスコの事情について調べたし、Facebook友だちのひとりである愛知県在住の音楽家の女性に現地の事情をいろいろ確認していただいた。その方は、カリフォルニア州に友人知人が多いということだった。

 結果として、私は少し安堵できた。経済状況が良くなれば、サンフランシスコの治安も回復し、元どおりの街に戻る可能性が高いようだ。サンフランシスコが「万引き窃盗天国のどうしようもない犯罪都市」になったわけではないのだ。

 もちろん、言うまでもなく、同じサンフランシスコの住民でも、同じ現象を見ていても、考え方は違う。おそらく民主党員と共和党員でも違うだろうし、同じ政党を支持している人々の中でも感じ方は違うかもしれない。

 それでも、私の教え子一家が急いでカリフォルニアから、サンフランシスコから、可能な限りに速やかに避難しなければならないような非常に深刻な状態ではなさそうだ。

 日本の主流メディアが報道しないことの中には、故意に隠蔽されていることもあるかもしれない。日本人の発想では理解しがたいので現象だけをポンと報道すると、誤解を招くようなこともあるので敢えて報道しないこともあるかもしれない。単に外国人では事実関係がわからないので、報道したくても報道を控えているのかもしれない。そもそも全く知らないだけかもしれない。

 どちらにしても、何よりも、事情や背景がよくわからない外国事情について報道するには、事実関係をきちんと調べることが前提だ。その報道を目にしたり聞いたりした場合は、自分で確認するべきだが、それはそれで面倒で難しいと、あらためて私は感じさせられた。

 とはいえ、私の心には、まだちょっと疑いが残っている。ひょっとしたら、日本の主流メディアはアメリカのリベラル民主党系のジャパン・ハンドラーズから操作されてきているので、全米で最もリベラルと考えられているサンフランシスコ(同性愛者たちの地域共同体が1960年代からあった)市の万引き御免プチ無法地帯ぶりについては、故意に黙殺しているのではなかろうかと。

 もちろん、これは私の邪推であるのだろう。

 

文:藤森かよこ

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藤森 かよこ

ふじもり かよこ

1953年愛知県名古屋市生まれ。南山大学大学院文学研究科英米文学専攻博士課 程満期退学。福山市立大学名誉教授で元桃山学院大学教授。元祖リバータリアン(超個人主義的自由主義)である、アメリカの国民的作家であり思想家のアイン・ランド研究の第一人者。アイン・ランドの大ベストセラー『水源』、『利己主義という気概』を翻訳刊行した。物事や現象の本質、または人間性の本質を鋭く突き、「孤独な人間がそれでも生きていくこと」への愛にあふれた直言が人気を呼んでいる。  

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