【就活戦線異状あり!】早期化の就活には「長期インターン」「逆求人」で準備対応せよ(2022年度最新版:就職内定に絶対必要な情報と取り組み) |BEST TiMES(ベストタイムズ)

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【就活戦線異状あり!】早期化の就活には「長期インターン」「逆求人」で準備対応せよ(2022年度最新版:就職内定に絶対必要な情報と取り組み)


 2022年春の大卒予定者の本年10月の就職内定率は71.2%(厚労省・文科省)。新型コロナの影響を受けた昨年よりも1.4ポイント上回ったものの依然として厳しい状況が続いている。若者の社会への出口となる大学も危機意識を強め、学生の就活に対する独自の新たな取り組みも見受けられ始めている。今回は、まず、大学の取り組みに注目。次に「就活早期化」に向けて就活生本人と親御さんに「いま、何をやらねばならないのか」についてレポートする(「就活」シリーズ4回目)。


■就活の早期化と大学のキャリア教育とのギャップ

就活は大学1、2年生から始めると、長期インターンが可能となり、エントリー・シートで問われる「志望動機」の言葉を自身のビジネス経験からしっかりと書けるようになる。

 

 本年同様、2023年大卒予定者の就活も「早期化」に拍車がかかるといわれている。それに対し、政府は、24年春に入社する現在の大学2年生の就職活動について、採用選考活動を4年生の6月からとする現行ルールの維持を決めた(本年11月)が、大手企業、IT系コンサルタント、システムエンジニアなどは例年通り優秀な学生の獲得に向けてかなり早く動くと見込まれる。

 その背景には①就活の自由競争化②大学生の大衆化③企業の人材選定基準の厳格化がある。こうした就活の「自由競争」において内定格差が生じている状況をすでに私たちは前回の記事「【まだ間に合う「隠れホワイト企業 TOP50」ランキング】2021年最新版「就活」が物語る「内定格差」の現実!」の記事でも考察したが、今度はその状況に対して危機意識をもつ「大学」当局が増えているのも確かである。

 著書に『子どもを一流ホワイト企業に内定させる方法』もち、自ら就活塾を主宰する「ホワイトアカデミー」代表の竹内健登氏によれば「中堅クラスの大学からの教員向け能力開発研修(FD:Faculty Development)という位置付けのガイダンスを依頼されるケースが増えた」という。

 「いよいよ、大学も現在の厳しい就活の実情について戦略的に取り組み始めたといえると思います。就職率という指標によって、大学が研究機関であると同時に社会人として活躍できる人材を育成する教育機関であること、その現実的な存在意義に目覚めたのかもしれません。はっきり言えば、従来、大学は学生の就職に対してそこまでリソースを割いてこなかったわけです。むしろ入試広報を通じた受験生獲得のために躍起になっていました。しかし、大学における学生の就職(内定)率が低いということは、結果的には、受験生や親御さんにとっての魅力を削ぎ、不安を生むわけですから弱体化に繋がります」(竹内氏)

 では、内定率をあげるためにどのような就活戦略をいま、大学はとっているのだろうか。

「まずは、現在の学生が直面する就活から内定までの実情をしっかりと知っていただくことから始めています。例えば、学生が自らのファーストキャリアで長く働き続けられる諸条件の良い会社、すなわち一流ホワイト企業とは何かという基礎的な話から、そのホワイト企業の内定倍率はどれくらいあって、また学生が内定を取れるまで具体的にはどのような手順で進めていけばよいのか、までのガイダンスをするところからです」(竹内氏)

 竹内氏によれば、大学の教員が自前の知識で、現在の学生が就活を乗り切れるだけの経験と知見は持っていないことにも気づかされるという。

「そもそも大学の先生は、民間(の会社)で働いた経験が少なく、まず就活自体への関心がない方も少なくありません。また、関心があったとしても、学事の忙しさなどから面倒を見られないという先生も多く存在しています。加えて、そもそも的確な指導が行えているかどうかに不安を覚えている先生もいらっしゃいます。というのも、民間の経験者だったとしても、自分の業界のみの知識だけでタコツボ化しているため、業界横断的な広さの知見から、学生に見合った情報を提供することが難しいためです。このような状態では一人一人の学生にあった出口戦略を組み立てあげることはかなり難しいと思います」

 竹内氏は新卒学生の求人を募集する企業側にもガイダンスをしている。創意と知性に溢れた学生をどう集めるかという戦略を真剣に実践する企業側と、送り出す大学側との熱量のギャップが見受けられるともいう。

 しかし、大学側が真剣に実社会と向き合うまさに「社会の窓」を開けようと、就活に本腰を入れたことは、学生にとっても、学生の親御さんにとっても前進を遂げたともいえるだろう。具体的には例として、こうした大きく二つのプログラムを開始するといわれる。
 まず、(1)学内に就職課ではないの就活ガイダンス専門家の窓口を設け、専門家による学部学生への講義、また入試説明会などで進路希望の学生のキャリアプランを示す。(2)あわせてその就活への取り組みを「戦略化」できるだけの知見を教員研修という形で高めていくものだ。

 大学もこうして大きく変わっていこうとするなかで、就活生となる学生本人はどう「動いて」いくべきであろうか。

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竹内健登(たけうち・けんと)

東京大学工学部卒。大手一流ホワイト企業の内定請負人。就活塾「ホワイトアカデミー」を創立・経営。これまで800人以上の就活をサポート。塾はホワイト企業内定率100%を誇り、ホワイト企業の内定が出なければ費用を全額返金する返金保証制度が好評。2019年に『子どもを一流ホワイト企業に内定させる方法』(日経BP刊)を出版し、「親が子育ての集大成である就活に臨む際の必読書」、「これができれば本当に一流企業に内定できる」と話題。塾のYouTubeチャンネルではホワイトな業界の紹介や大手企業の倍率、ESの添削を公開するなど塾の就活ノウハウを一部紹介している。
YouTube:就活塾 ホワイトアカデミー

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  • 竹内 健登
  • 2019.12.12