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1918年「スペインかぜ驚異の教訓」話題の感染免疫学の専門家・岡田晴恵教授が提言!【新型コロナウイルスと闘う②】

第一次世界大戦をも終結させたスペインかぜの脅威

◼マスクやうがい、手洗いを強制、人の集まる場所は閉鎖

マスクをつける日本の女性たち。1919年2月。(パブリック・ドメイン)

 1918年の時点では、まだインフルエンザの病原ウイルスは発見・同定されておらず、日本では流行性感冒(または、略して流感)と呼ばれていた。 当時の新聞(東京日日新聞)には、「鉄道員の欠勤多く、輸送に不便が出る」、「地方火葬場へ送るために停車場に死体の山」という記事が載り、上野駅には地方の火葬場に向けて棺桶が積まれていたといわれている。都心の火葬場では焼き残しがでた。

 アメリカでは赤十字が50万個のマスクを配り、いくつかの都市では、感染が出た家屋に「立ち入り禁止 Keep Out」の貼り紙をしている。これは、ペスト感染家屋の扉に書かれた赤い十字を思い起こさせる。マスク、うがい、手洗いが奨励または強制された。さらに学校、劇場、教会等、人の集まる場所を閉鎖して、感染の広がりを止めようという水際の努力もなされた。(「新型コロナウイルス感染症と闘う③」へつづく)

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