上原浩治に聞く Q.29 自分のためにやることがチームプレーである、その意味とは? |BEST TiMES(ベストタイムズ)

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上原浩治に聞く Q.29 自分のためにやることがチームプレーである、その意味とは?

選手たちがよく言う「監督を男にする」という言葉。その言葉に隠されたある意識とは? ついに最終回です!!

前回「あくまで僕の考えですけど『チームのために』という意識が強すぎるように思います」と語ってくれた上原投手。その真意とは? 本当のチームプレーはどうやって作られるのか、その本質をつく提言。

「監督を男にしたい」は逃げ道

 

――前回うかがった「チームのために」という意識が強いというお話です。自分のためにやることがチームプレーだ、ということについてお聞かせ下さい。

何度も言いますけど、これはあくまで僕がそう考えてやってきた、ということです。

例えば、同級生の(高橋)由伸が監督になってから、選手が「監督を男にしたい」ということをよく言っているのを耳にしました。この「監督を男にしたい」という言葉ってよく聞きますよね。もちろんその考えはすごく共感できるし、実際そういう思いもあります。でも、僕はその前にまず自分が男になること、を考えます。

――裏返すと、そう言う選手たちにも「監督を男にする前に自分が男になれ」と思う?

そうです。

結局まず自分が頑張らないとチームのためにもならないんです。自分ががんばること、それは自分のためであるけど、それはチームのためになるはずです。

――チームのためが優先するのはおかしい。

おかしいとまでは言わないですけど、僕はそうは考えない。
まず自分のために一生懸命やる。これが優先順位なわけです。それでいい成績を収めることができれば、それは結果としてチームのためになっていますよね? 
だから考える順番としてチームのためにやる、という言葉が出てくる選手というのは自分に対する逃げ道を作っているのではないか、と思ってしまう。

だから僕はまず、自分のためにやるんです。

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上原 浩治

うえはら こうじ

1975年4月3日生まれ。東海大仰星高校時代は、外野手兼控え投手。1年の浪人後、大阪体育大学に入学し、当時敵なしといわれたキューバ打線を封じ込めるなど投手として注目を集める。1998年にドラフト1位で読売ジャイアンツに入団。1年目から20勝4敗の好成績を残し、新人王と沢村賞をはじめ最多勝・最優秀防御率・最多奪三振・最高勝率などタイトルを総なめにする。以降、怪我などもありながらジャイアンツのエースとして活躍。2009年に海外FA権を行使しボルチモア・オリオールズに入団。さまざまなポジションを渡り歩きながら着実に実績を重ね、2013年にはテキサス・レンジャーズからボストン・レッドソックスに移籍。シーズン途中からクローザーとなり、リーグチャンピオンシリーズMVPを獲得するなどワールドシリーズチャンピオンに貢献した。現在もボストン・レッドソックスに欠かせない投手として活躍する。



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