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長期化する「休校」の現場に対して、誰が何をどう判断しているのか

【第17回】学校と教員に何が起こっているのか -教育現場の働き方改革を追う-

■教員の学童支援は「超勤4項目」に含まれない

 文科省が「新型コロナウイルス感染症による全国一斉臨時休校に関するQ&A」を3月4日に、そして9日には更新版として全国自治体等に対して示している。その中にある「放課後児童クラブ」への対応に文科省の姿勢がよくあらわれている。
 放課後児童クラブは、一般的には「学童クラブ」などとも呼ばれているもので、主に保護者が働いているために放課後のケアが困難な小学生に対して、遊びや生活の場を提供する場所であり、厚労省が所轄する。
 ここがポイントで、放課後児童クラブは文科省ではなく厚労省の所轄であることを頭に置いて以下を読みすすめていただければ幸いだ。

 文科省のQ&Aには、次のQ(質問)がある。
「臨時休業となった場合、放課後児童クラブの職員の確保が困難であることから、学校の教職員が放課後児童クラブの業務に携わることは可能か」というものだ。それについてのA(回答)は、以下のようになっている。
「学校の教職員が、その職務である教育活動の一環として、各教育委員会等の職務命令に基づいて放課後児童クラブ等における学習指導や生徒指導等に関する業務に携わることは可能です」
 職務命令によって放課後児童クラブ等の業務に携わることは可能といっており、実際に教職員が放課後児童クラブの支援を行っているケースは少なくない。
 ただし、この回答は次のように続いている。
当該業務はいわゆる『超勤4項目』には含まれませんので、教員が放課後児童クラブの業務に携わるのは所定の勤務時間内に限ります」。

 給特法では、教員に時間外勤務(超過勤務、残業)を命じることは原則としてできないことになっているが、次の4つの場合だけは「命じることができる」としている。

1 生徒の実習
2 学校行事
3 職員会議
4 非常災害、児童生徒の指導に関し緊急の措置を必要とする場合等

 これが、いわゆる「超勤4項目」である。しかし、放課後児童クラブでの業務は「教育委員会等の職務命令」に基づくが、「超勤4項目」には含まれないとしている。つまり、合法的に超過勤務(残業)として命じるものではないことを明記しているわけだ。

 放課後児童クラブは放課後の活動だから、教職員の勤務時間外に及ぶこともありうるわけだが、「超勤4項目」に含まれないとなると、放課後児童クラブで子どもたちが残っていても、教職員の勤務終了時間になれば「サヨナラ」と帰らなければならない。しかし、教員や学校職員にそれが可能だろうか。
 最後まで子どもたちの面倒をみるために残っていれば、それは文科省も教育委員会も無関係の「サービス残業」にされてしまうのだ。
 そのあたりも見越して文科省の回答では、「仮に、通常の勤務時間よりも早い時間帯又は遅い時間帯に携わる場合には、時差出勤とすることが考えられます」となっている。所定勤務時間内に収まるように工夫せよ、というわけである。

 さらに回答では、「学級を担任する教師にあっては、当該学級の児童生徒への連絡や家庭訪問など、通常では行わない業務等があるため放課後児童クラブ等の活動に携わることが困難であることが一般的には想定され」と述べられている。つまり「学級を担任する教師には、放課後児童クラブの活動をやっている時間はないだろう」ということだ。
 そしてこれは、「学級を担任する教師以外が携わればいい」と暗に示唆しているとも解釈できるが、それには「学級担任以外には時間があるのか」という疑問がわいてくる。
 

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前屋 毅

まえや つよし

フリージャーナリスト。1954年、鹿児島県生まれ。法政大学卒業。『週刊ポスト』記者などを経てフリーに。教育問題と経済問題をテーマにしている。最新刊は『ほんとうの教育をとりもどす』(共栄書房)、『ブラック化する学校』(青春新書)、その他に『学校が学習塾にのみこまれる日』『シェア神話の崩壊』『グローバルスタンダードという妖怪』『日本の小さな大企業』などがある。


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