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【緊急特報】コロナウイルスで「キッズライン」や「ナビタス」など微妙業者が「便乗商法」花盛り問題

山本一郎【連載】「コップの中の百年戦争 ―世の中の不条理やカラクリの根源とは―」第3回

◆医師が自らテレビに出て不安を煽って有償検査を受けさせるケース

 さらに、最近テレビによく出てくる医師が、さかんにコロナウイルスの検査を疑わしい人全員にやれと煽っていました。パニックになっている国民からすれば、検査をしてくれない国の方針に不満があるのは事実でしょうが、その裏で自分たちのやっているクリニックでコロナウイルスに関する電話相談を有料でやり、自費治療でコロナウイルスを検査するサービスを始めるという悶絶するような報道がありました。

 さんざん「コロナウイルスの感染を疑われる人への検査体制に不備がある」とメディアで不安を煽っておいて、実際には自分たちのクリニックに不安に思う人からの有料電話相談が来て自費治療での検査がなされるよう促すというのは、見ようによっては非常に古典的なマッチポンプです。

【医療ガバナンス研究所】メディアに多数出演する「専門家」と名乗る医師(主に上昌広、久住英二、山本佳奈)たちとは?【電話相談5分3000円】   https://togetter.com/li/1474272

 これ、もう医師が自ら便乗商売を行うためにメディアに露出して国民の不安を煽ってマッチポンプしていると批判されても仕方のないことですね。何しろ、上昌広先生は確かに医師ですが別に感染症の専門家でもないので、Twitter上で堂々と偽陰性や過剰診療の問題を理解していない書き込みをして他の医師から批判されたり、検査精度について完全に取り違えた認識を示して「医師免許の国家試験どころか、医学部も通らない」と書かれたりしています。

 キッズライン社の件はコロナウイルスに対する政府対応を自分の商売に結び付けようとし、上昌広先生のナビタスクリニックは政府の検査不備の方針を強く批判し国民の不安を煽って自分の利益に誘導するという意味で、実にパニックに陥った人たちを食い物にする商法のようだなあと思うわけであります。

 実際には、今回のコロナウイルス(COVID-19)の感染力は比較的強いうえに潜伏期間が長く、無症状でも感染するが実は軽症者が多いと判っています。それであれば、本当に死者の出る病気であるインフルエンザや風疹、結核などの感染症への対策を重視するべきだ、とも言えます。おそらくは厚生労働省や感染症専門家はヘンに水際作戦をやりコロナウイルスを国内入れないことよりも、国民に対しては健康な日常生活を出来るだけ維持しながら、これらのコロナウイルスとの共存を考えたほうが乗り切れる可能性が高いと判断したのではないかと思うんですよね。

 しかしながら、国民がこれだけコロナウイルスを怖れ、パニックになってしまっている現状ならば、いまの政府がこの方針で「コロナウイルスを受け入れます」と言っても国民は大多数が納得しないんだろうなあとは思います。

 何しろ、コロナウイルスから回復された患者の腸管から、普通にコロナウイルスが検出されたというニュースが出ていたんですよ。事実かどうかは分かりませんが、撲滅するのは不可能になったということですかね。もはやここまで感染が広がり、また糖尿病や高血圧など基礎疾患のない若い人は、さほど重症化せず快癒することが分かってきた以上は、できない封じ込めを頑張ろうとするよりも不安を抑えてウイルスとの共生共存を模索したほうが早いのかもしれません。

 国民はそれだけコロナウイルスが蔓延することに対して不安に思っている、ということの裏返しでもあります。デパート地下の総菜売り場はガラガラだし、外食も観光も死にそうです。あれだけ「対策が後手だ」と批判された安倍晋三政権が、突然に「学校を来週から全校休校にします」とか言い始めて、今度はおい誰がそんな無茶をやれと言ったんだ、という代打川藤をホンマに出してどないすんねん状態になっているわけですね。

 いまさら学校を休校にしても、医学的、疫学的にはさしたる効果がないのは当然です。でも、国民からすれば「政府は思い切った感染抑止策をとって欲しい」と不安に思っている。それならば、遅ればせながら中国人・韓国人の来日を全面的に止めるとか打てる手があったはずなのに、共働き子育て世帯が直撃するような施策を前面に打ち出したのは国民の不安をどうにか払拭したいということなのでしょう。

 実際に私も息子たちが毎朝満員の通勤電車に乗って学校に通っているのを見て、とても悩みました。大手企業に勤めるサラリーマンなど社会人はリモートワークや時差通勤で緩和策をとられているのに、子どもたちだけはなぜ感染し放題の状態に置いておかれているのだろうと思い、これは自主的に登校させるのをやめようかとすら思ったぐらいです。それでいて、仕事を休むとダイレクトに収入減少に繋がる非正規雇用の人たちは今回も政策的に見事に無視されて、これはもう感染してようが熱出してようが這ってでも職場にいくかもしれないんですよね。これはもう、コロナウイルスに感染して死ぬより、収入がなくなって貧乏になって死ぬパターンだと思うんです。

 感染して死ぬより貧乏して死ぬほうが大変かもしれず、国民が一致団結して乗り越えることができればいいんですが。

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