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京王電鉄のミニ路線巡り

動物園線、競馬場線…東京の「盲腸線」へ

 少し前に、京王電鉄の2つのミニ路線をめぐってきた。ここのところ、あるメディアの連載で各地の「盲腸線」のことをまとめているのだが、その一環として京王電鉄の盲腸線、いわゆるミニ路線を再訪したというわけである。

楽し気な動物園線の電車

 まずは、新宿から特急に30分少々乗って高幡不動駅へ。降りたのは久しぶりだ。30年以上前は、毎日通勤で利用していて、そのころは地下道を経て改札口へ向かったのだが、現在は橋上駅になっている。もっとも、今回は改札口を出たわけではなく、動物園線のホームにまわり、多摩動物公園駅までの一駅を往復している電車に乗り込んだ。

写真を拡大 動物園線の車内

 京王の本線とは異なり、短い4両編成の電車が停まっていた。車体には動物や京王線の電車を擬人化した可愛らしいイラストが描かれ、車両自体はピンク色で覆われている。動物園だけではなく、隣接した場所にある京王れーるランド(鉄道博物館)と屋内遊具施設ハグハグのPRもしているので賑やかだ。車内に入ると、ドア付近の仕切りや窓ガラスに動物の絵が描いてある。それも車両ごとにバリエーションがあるようで、車内を見て回るのも楽しい。平日の昼前なので車内は空いている。それでも、親子連れやシニアと孫、グループ客が少なからず座っていて、行楽地へ向かう電車らしい華やいだ雰囲気だ。
 4両編成の電車はワンマン運転で車掌はいない。発車すると、踏切を渡り、右へ大きくカーブしながら京王線と分れ、ゆっくりと進む。丘陵地帯を地形に忠実にたどっているためか、直進ではなく、ゆるやかに左右にカーブしながら走る。いつの間にか多摩都市モノレールが並走している。モノレールには程久保駅があるけれど、京王には駅はない。あくまで動物園エリアの行楽施設へ向かう利用者に特化しているのかもしれない。

多摩動物公園駅

京王れーるランドの展示車両

 あっという間に減速して終点多摩動物公園駅のホームへ滑り込む。乗車時間3分の超ミニトリップだった。動物園線に乗ったのに動物には興味がないので、駅に隣接した京王れーるランドへ。本館の向かい側には引退した車両の展示施設があり、5両の電車が並んでいた。屋根に覆われ手狭なスペースなので車両が殊の外大きく見える。緑色の2400形と2010系、スタイリッシュな初代5000系が目に留まる。よく利用した6000系や井の頭線の3000系も懐かしい。

京王線の貴重なヘッドマークなど

 本館の展示も一通り見ておいた。子供向けの遊具施設の脇という落ち着かない場所にあるのが残念だが、かつて使われた「迎光」「陣馬」「高尾」といったヘッドマークは貴重なものである。運転台シミュレーターは空いていたのでチャレンジしてみたけれど、停止位置にピタリと止めるのはいつやってみても難しいものだ。
 何時間滞在しても飽きることはないのだが、ほどほどにして退出し、再び動物園線に乗って高幡不動駅へ。京王線の新宿行き特急に乗って府中駅まで戻り、各駅停車に乗り換えて次の東府中駅で下車した。

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野田 隆

のだ たかし

日本旅行作家協会 理事

1952年名古屋生まれ。日本旅行作家協会理事。早稲田大学大学院修了。 蒸気機関車D51を見て育った生まれつきの鉄道ファン。国内はもとよりヨーロッパの鉄道の旅に関する著書多数。著書に『テツに学ぶ楽しい鉄道旅入門』(ポプラ新書)『にっぽん鉄道100景』『テツはこんな旅をしている~鉄道旅行再発見』(平凡社新書)『定年からの鉄道旅行のススメ』 (洋泉社新書) 『テツ道のすゝめ』(中日新聞社)『愛知県 駅と路線の謎』(洋泉社新書y)など。



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