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蒲生氏郷のふるさと・日野①氏郷公像

季節と時節でつづる戦国おりおり第406回

 先日は松阪で蒲生氏郷あしあと巡りをし、ついでに(あくまでついでに)松阪牛を賞味して参りました。

↑これね。

 蒲生氏郷ゆかりで松阪へ行けば、次は、そう!出身地の日野で近江牛を食べなければ!あ、いや、史跡めぐりをしなければ!

 というわけで、過日行って参りました。名神高速から県道41号と経て近江日野(滋賀県蒲生郡日野)に到着。まず何の気なしに町立図書館に入ってみると、偶然にも所蔵本の整理処分で無料でいただける日でした。ホクホクで2冊頂戴し、良い日になりそうな予感満点です。

 

 まずはひばり野公園にある蒲生氏郷公像にご挨拶を。代名詞とも言える鯰尾の兜をお召しになった氏郷さんはいかにも凜々しいお姿ですが、手に持たれているのは矢立と帳面と筆であるあたりが凡百の武将像とは違います。

 これで何をお書きになっておられるのか、「合戦なう」とかだったらズッコケですが、文禄元年(1592)に朝鮮出兵のため肥前名護屋におもむく途中、故郷の日野の近くを通った際に「思ひきや 人のゆくへぞ 定めなき  わがふるさとを よそに見んとは」という有名な歌を詠んで書き留めているところだそうです。さすが、三条西実枝から和歌を学んだ氏郷さんらしい銅像ではないでしょうか。

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橋場 日月

はしば あきら

はしば・あきら/大阪府出身。古文書などの史料を駆使した独自のアプローチで、新たな史観を浮き彫りにする研究家兼作家。主な著作に『新説桶狭間合戦』(学研)、『地形で読み解く「真田三代」最強の秘密』(朝日新書)、『大判ビジュアル図解 大迫力!写真と絵でわかる日本史』(西東社)など。


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