ライター、編集者、クリエイティブディレクター、撮影コーディネーターなどの肩書きを持つ筆者・小林久乃。本人が「幼少期からドラマオタクだ」と豪語するほど愛するテレビドラマの見どころについて語る。最新放送から、著書『結婚してもしなくてもうるわしきかな人生』(11月29日(金)発売/KKベストセラーズ刊)の読者にぜひ見てほしい恋愛、結婚、女性の生きかたに関する過去作まで、週1イチ更新。読めばドラマが見たくなる、何か自分に衝動が起きるコラムをどうぞ。

■可愛いヒロインはみーんな春田のことが好きっ♡

『おっさんずラブ-in the sky-』第3話より(写真提供:テレビ朝日) 
<あらすじ> 

土曜ナイトドラマ
『おっさんずラブ-in the sky-』
テレビ朝日/毎週土曜 よる11時15分放送

“CAとして転職をしたばかりの春田創一(田中圭)はお人好しの独身・35歳。普通の男として生活を送っていた春田、新しい職場でいきなりモテ男になる。それもキャプテンの黒田武蔵(吉田鋼太郎)、整備士の四宮要(戸次重幸)。そしておそらく彼に惹かれていくと予想される成瀬竜(千葉雄大)に、唯一の女性・橘緋夏(佐津川愛美)。混戦間違いなしの恋の行方はどうなる---”

『おっさんずラブ』作品シリーズのことはスポ根作品だと思っている。

 昨今のブームによって、このコラム読者の皆さんもタイトルくらいは耳にしたことがあるはず。実は、2016年に放送されたスペシャルドラマから人気に火がつき、連ドラ化とブレイクを経て、昨年は映画化。そしてシリーズ2の放送。ここまでに約3年以上の時間を費やしている。中学校に入学した子どもが、めでたく卒業する時間が経過しているのだ。SNSのトレンドと連動するかのように、単発で人気を獲得して、そのまま続編に至らないケースが多いドラマ界の昨今。おそらくドラマの内容から予測するとさまざまな意見、いや揶揄が飛ぶ中、大事に、時に厳しく育てられた作品だと思うと熱き血潮を感じずにいられない。

 

 そんなスポ根作品、第2シリーズもだいぶかっ飛ばして始まった。

 主役の春田のお人好しキャラクターはそのまま、主要キャストのほとんどが彼のことを好きになっている。前回から引き続いて、突然の男性愛に目覚めてしまったおっさん・黒澤はもう安定の愛を注ぐ。そこに加わったのが静かに後輩へ想いを募らせる四宮だ。彼が大映ドラマのように、片思いに気づかれないよう耐え忍ぶ姿はとても可愛い。男性好きは判明しているものの、今はまだ春田へ何もアクションがない成瀬もそのうち好きになるのではないかと、私は読んでいる。

 ヒロインが全員、おっさん。みんな可愛い、おっさん。おっと、忘れていたが同じ職場の橘も春田が好き。おそらく春田も橘が好き。でもだんだん、ヒロインたちからの熱烈な求愛に心を動かされて、そのうち恋愛相手に男女の境目が見えなくなってくる。あれ? これは第1シリーズと同じ展開? いや、ヒットドラマはそれでいいのだ。信じられない放送回数を記録している『渡る世間は鬼ばかり』(T B S系)だって、大概同じ内容だから見たくなるのだから。