長寿食としても注目を集めている味噌汁。実は男の隠れた絶倫食だという。80歳を超えてなお元気な医学博士•志賀貢先生が、味噌汁の秘密を解説する。(『男を強くする! 食事革命』より)

■味噌汁は男の隠れた絶倫食だ

 

(1)しじみ

 江戸時代から、肝臓の病にしじみは大変良いとされ、庶民の間で珍重されてきました。一説では、しじみに含まれるオルニチンやコハク酸という成分が、二日酔いや肝臓疾患の回復に良いとされてきましたが、医学的には即効性があるという証拠はまだ見つかっていません。

 しかし、しじみの成分を詳しく調べてみると、100g当たり64kcalで、タンパク質が7.5㎎、脂質が14㎎、鉄が8.3マイクログラム、カルシウムが240㎎含まれるほか、ビタミンB2、B12 が豊富です。土用しじみと言われるように、夏が旬でもっとも栄養価が高く、体のためには非常に役立つ食品のひとつとされています。タンパク質の量はごく普通なのですが、よく調べてみるとアミノ酸が非常に豊富でアミノ酸のバランスを示すアミノ酸スコアは100で、その質は肉や魚に匹敵するほどです。また、貧血を防ぐビタミンB12
が豊富に含まれており、血液の成分を正常に保つためにも有用です。

 こうしてみると、江戸時代の人が信じてやまなかったしじみは、現代でも立派に健康食品として役に立つと思われます。

 昔から人の体には、五臓六腑が存在すると言われてきました。五臓とは、心臓、肺、肝臓、腎臓、それに脾臓の五つの臓器のことを言います。六腑とは、胆のう・胃・小腸・大腸・膀胱・三焦(昔の人は臓器ではないが、体には気の通り道があると考えていた、今で言うリンパ)です。この中では、心臓・肝臓・腎臓はとくに重要な臓器とされ、それは「肝腎要」という言葉の使い方をみてもわかると思います。肝腎のじんには心の字を当てることもあります。また、「肝胆相照らす」という言葉もありますが、これは肝臓と胆のうとはきわめて近い関係にあり、転じて誠の心を通じ合うという意味に使われます。それくらい、肝臓は体にとって大切な臓器なのですが、男性の健康を考えて見ますと、精力を旺盛に保つためには肝臓をしっかりとはたらかせることが大切なことがわかっています。

 肝臓が弱ると、女性ホルモンのエストロゲンの分解が低下して、その結果、男性の体にも女性ホルモンがあふれるようになり、体に女性化現象が起こってきます。色が白い、体毛が薄い、体に脂肪がついてふっくらとする、それと同時に睾丸のはたらきが低下して精力が減退し始めます。したがって、精力を保つためには肝臓の健康法が欠かせません。

 この肝臓を守るために、しじみの味噌汁は非常に役立ちます。とくに夏の暑い時期に精力が減退したと感じたときには、しじみの味噌汁を積極的に飲むべきです。

(2)舞茸

 キノコ類の味噌汁は男性の精気を鼓舞するうえで、大変に役立ちます。こういう指摘をすると、そう言えばキノコはどこか男性シンボルに似ているわね、という好奇心に満ちた女性の声が聞こえてきそうです。確かにそのとおりです。カサの大きな椎茸、さらに、いかにも山のペニスではないかと見間違えるほどの松茸を見ていると、いかにも男性シンボルそのもので、これを食すると精力が増強しそうな気がしてきます。

 男にとっては、まさに共食いになるかもしれませんが、キノコ類をおおいに食べて精気を養い、夜の生活に衰えを感じることなく、せっせと励むようにしてもらいたいものです。

 最近、キノコの中の舞茸に、素晴らしい成分が発見されました。それは、マイタケプロテアーゼというタンパク質分解酵素です。この酵素には、血糖値の上昇を抑えるはたらきがあり、糖尿病に良い食品だとされています。

 このほか、舞茸には実は、男性性器を奮い立たせるような成分が含まれているのです。亜鉛・ビタミンD・ナイアシンが含まれています。また、食物繊維も豊富で、その中に含まれるMD-フラクションは免疫力を高めるはたらきをします。

 亜鉛という言葉を聞くと、みなさんはすぐに頭に思い浮かぶことがあると思います。亜鉛は男性性器の精子と精液を作るためには、無くてはならない成分なのです。また、ビタミンDが多いということは、健康にも非常に良いと言えます。舞茸の味噌汁を毎日飲んで、とくにシニア世代の人は、いつも生気を豊かになみなみと睾丸や前立腺に蓄えていくことを心がけるようにしたいものです。

(3)海藻

 わかめ、青のり、ふのりなどは、よく味噌汁の具として使われます。このわかめを始めとする海藻には、非常にミネラルが多いのが特徴です。とくにカルシウムがどの海藻にも多く含まれています。したがって、男性も女性もこの海藻の味噌汁を長く飲み続けると、骨が丈夫になってしっかりと体力がついた体になると考えられます。

 男女の性行為にはまず、足腰がしっかりしていなければなりません。骨盤・大腿・膝などの骨が脆弱ではすぐ疲れてしまい、夜の生活を満足に送ることはできません。そうした弊害を阻止するためにも、海藻類の味噌汁が有効です。

 また、豆腐などと一緒にみそ汁の具として大活躍しているわかめには、アルギン酸という食物繊維が含まれています。この成分は、コレステロールのうちのLDL(低比重リポプロテイン、別名悪玉コレステロールと呼ぶ)を減少させる効果があって、その結果として動脈硬化を防いでくれます。

 動脈硬化は、男のペニスにとっては大敵です。海綿体の血液の流れが順調にいかなくなると、勃起がスムーズに起きなくなってきます。そうしたことを考えるうえでも、わかめの味噌汁は強い男の味方となってくれるに違いありません。

 青のりの味噌汁も、よく寿司屋などで出てきます。大変口当たりがよく、生ものを食べたあとには一服の清涼剤になるほど、美味です。この青のりにも、非常にカルシウムが豊富に含まれています。わかめ同様、男の強い味方になってくれることは間違いありません。

 ふのりは、産地以外ではなかなか手に入らないかもしれません。私のふるさと、知床では流氷が去ったあとに、岩に芽を出してくるふのりを採取して、味噌汁に入れます。これがまた大変な美味で、何回でもおかわりをしたくなるような一品なのです。

 ともかく、海藻の味噌汁は夫婦和合の助けになる庶民の料理ですから、老いも若きもおおいに飲んで精力を増強して欲しいものです。