不動産プロ集団「全宅ツイ」ブローカー部に所属している5fret(ごふれっと)くんが、家を買うことへの「マインド」について綴ります。不動産会社で中間管理職として、これまで多くの買主を見てきたからこそ伝えられることとは…?
一生懸命探して、ようやく見つけた「買おう」と思える物件…

◆「欲しい」と思える家に出会えることは奇跡

 みなさんどうです、お家探し大変ですか? 私も沢山の買い主様を見てきましたが、実際に探すとなると本当に大変だと思います。

 まずは価格(=毎月の支払額)・駅からの距離・犠牲に出来るギリギリの通勤時間・住戸位置・間取り・マンションであれば総戸数や管理状況といったことを考えなければいけません。
 ほかにも「お隣に変な人はいないか?」「下階の人がニートのクレーマーだったら?」「近くに暴力団事務所とかないよね?」などなど、気にしなければいけないポイントはいくらでもあります。

 実際、持ち家を探し始めた途端に夫婦仲が悪くなる方は多いですね。気の遠くなるような長い住宅ローンへの不安、なかなか折り合わない2人の意見、休みたいのに内見で潰れていく週末、蓄積されていく疲労…。

 それでも長い長い霧を抜けて、自分や一緒に暮らしていく家族が合意できるお家を見つけられたみなさん、本当におめでとうございます。
 「100点満点の不動産など存在しない」という市場の中で、ここまでたどり着いたのは皆さまの運の良さと努力の賜物です。これは誰にでもできる事じゃないですよ、誇りに思いましょう。

 ただし、買おうとしているそのマンション、当初考えていたよりちょっと高いですよね? 
 ええ、そのお気持ち…わかります。
 でもやっぱり買いましょう。

 「迷っている理由が値段なら買え、買おうと思っている理由が値段なら買うな」

 これはよく不動産業界でよく言われている格言みたいなものなのですが、この記事で私が伝えたかったのはこれです。
 つまり、安いから買おうかなと思っている時はやめておいた方がよくて、値段が高いゆえに迷っているのであれば、ローンの支払額過剰なものでなければ買うべきである。
 そのほうが後々後悔する可能性が少ないと言う意味です。
 

◆「掘り出し物件」の正体と在り処

 そもそも不動産はそのほとんどが、ちょっと無理すればギリギリ手の届く価格に設定されています。考えてみれば当たり前ですよね、不動産業者だろうが個人の売主だろうが、一円でも高く売りたいですもの。

 だからこそ、お客様は私に「掘り出し物件は無いですか?」と聞いてくるわけですが、そういう不動産はだいたい権利関係がややこしかったり、他の人が買うのをためらうような、大きな販売ネックがあることがほとんどです。

 私は仕事でごくたまに掘り出し物の物件を紹介してもらえるのですが、それは私が普段の仕事でいわゆるクソ物件と言われるようなものを即断即決で買うことができるからです。
 その信頼関係の上に成り立っている情報ルートなのですね。なので一般の方は「掘り出し物」は諦めましょう。

 そもそも私が仕事で不動産を購入する時は、「転売して利益が出るかどうか?」というたった一つの、極めてシンプルな判断基準しかありません。仕事で仕入れるとき、その不動産に対して何の思い入れや憧れもなければ、街へのこだわりもないのです。
 事故物件、極端に悪い陽当たり、築年数…それでも、転売できるぐらい安ければ全く問題ありません。物件の概要書を見た瞬間に買い付けを入れることだって珍しくないのです。
 

◆それでも買う。その理由。

 でも、実際にこれからここで暮らしていこうという住まいを探しているみなさんはそうじゃないですよね。

 御夫婦のこだわり、それぞれの勤務先や実家からのちょうど良い立地、大きさ、内装、子育てを見据えた周辺環境…これら沢山のテストの大部分をクリアして最後に残った、貴重な物件だと思います。

 昨今のインターネットには「駅からの距離と部屋の大きさ、どちらを選ぶべき」みたいな煽り記事が溢れています。
 しかし、勘の良い皆さんならお判りでしょう。万人に当てはまる答えなどありません。
 なぜなら住宅購入には、皆さんの置かれている状況の数だけ正解があるからです。

 もちろん購入したとしても、いつか必ず売却しなければいけない時がやってきます。ですから、資産性を無視して選んでいいというものではありませんが、住まいというのは株のような単純な金融商品ではありません。
 日々、皆さんがお仕事の後に帰ってきて安らいだり、そこで家族が安心して毎日を過ごすための幸せの土台だと思っています。だから少し足がすくむかもしれないですが、値段で迷ったら買っちゃいましょう。

 え?
 ちょっとキツい?
 毎月の小遣いが減っちゃう?


 甘えんな、人生とはそういうものだ。
 お父ちゃんが頑張って働いて家族を幸せにする! この「幸せにしたい誰かがいること」自体が既に幸福なのだ。とバツイチ独り身の私は強く思うのです。

 買っちゃえば?

 


5fret(ごふれっと)くん/ブローカー部所属
バツイチ・バンドマン・ブローカーと、結婚してはいけない3Bをコンプリートする不動産屋さん。会社では不動産ゴリラを多頭飼いする中間管理職。