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本こそが最強のメディアだ。話題の書籍要約サービス「フライヤー」創業者が語る

大賀康史氏インタビュー<前編>

■本は「レバレッジ」効果が高い

 フライヤーが意識するのは20-40代のビジネスパーソン。多くの人が本を身近に感じるきっかけを作り、人が本来持っている知的好奇心を導き出したいんです。

 本が伝える情報は、ニュースや雑誌とはまた違ったものです。株価が上がった、下がったではなく、「ずっと人生に役立つ」情報がそこにある。

 本を作るのって時間がかかります。半年~1年、場合によっては10年要するものだってありますよね。著者が人生をかけて見出してきたエッセンスが、じっくりと編集されて本になる。そして読者は2時間やそこらで、著者の人生を疑似体験することができる。だから本ほど学びの効率がよくて、「レバレッジ」効果が高いメディアは他にないと思うのです。

 私たちのサービスはそうした本への絶対的な信頼感の上に成り立っています。しっかりと本の魅力を伝え、10分の中で学びが得られるようにしていきたい。

 今後の展開としてはフライヤーを300万人規模を目標に大きくして、アジアをはじめ海外進出も果たしたい。また「flier book labo」という取り組みをちょうどスタートしたところですが、これは本の要約をもとに議論し、表現し、人から学び、自分自身を見つめなおす場。こうしたコミュニティーも作っていきたい。読書会というものがありますが、これを敷居をより下げて誰でも参加できるものにしたいんです。参加するにあたって本1冊すべてを読む必要はなく、要約を読んでいればOKです。

 これから学びの場としてはひょっとしたら要約サービス以外のものを手がけているかもしれません。経営者としては3年先を考えるのがやっとですが、そのときには世の中が変わっている部分もあるでしょう。とにかく世の中に求められているものは何かを考え、ずっと突き詰めていきたいですね。

<後編>では経営者としての一面を持つ氏の組織論・起業について聞く。5月29日配信予定

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大賀 康史

おおが やすし

2001年早稲田大学理工学部機械工学科卒業、2003年早稲田大学大学院理工学研究科機械工学専攻修了。2003年にアクセンチュア(株)製造流通業本部に入社。同戦略グループに転属後、フロンティア・マネジメント(株)を経て、2013年6月に株式会社フライヤーを設立。著書に『最高の組織』(自由国民社)、共著に『7人のトップ起業家と28冊のビジネス名著に学ぶ起業の教科書』(ソシム)『ターンアラウンド・マネージャーの実務』(商事法務)がある。


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