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本当に“五十三”であってる?知ったかぶると恥をかく「東海道」

有名中学入試問題で発見する「江戸時代の日本」⑤南山中学校女子部

■原型は江戸時代より数百年も前に出来ていた

 東海道というと弥二さん喜多さんの「東海道中膝栗毛」や、先程も書いた広重の「東海道五十三次」の絵が思い出されます。そして「徳川家康が始めた、江戸時代に出来た街道」だと思われています。

 しかし! 実はそれより遥か数百年も前に東海道の原型が出来ていたことは、あまり知られていません。

 それはいつの時代なのでしょう?答えは鎌倉にあります。

 源頼朝が鎌倉に幕府を開いたため、急に御家人や使者など鎌倉―京の間の往来が増えたから。

 …ということで、鎌倉時代に“初代”東海道が出来ました。

 平安時代までは「ちゃんとした」街道や宿場などが無かったため、貴族ですら野宿していたのですが、鎌倉時代になって「乗り継ぎや荷物の人馬などを用意させよう」「まともなお店や宿が無いと困る」ということで、整備をしたのです。これは画期的なことでした。

 そしてこの鎌倉時代の東海道はなんと「六十三次」もあったんですよ!

 もっとも、出発点が江戸ではなく鎌倉というだけで、距離自体は江戸時代の東海道とあまり変わりません。ただ一部、中山道の垂井など、江戸時代の東海道とは別の街道の宿場が入っていることが違うぐらいでした。

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瀧島 有

たきしま あり

江戸文化歴史研究家

江戸文化歴史研究家。学校や教科書が教えない、江戸の町の武家・庶民の真実の姿、風俗や文化、食べ物などを研究する傍ら、江戸文化勉強会「平成江戸幕府」を主宰。フェリス女学院大学、内閣府クールジャパン・アドバイザリーボード・メンバーなどを経て、法政大学文学部史学科に在学中。著書に『あり先生の名門中学入試問題から読み解く江戸時代』など。


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  • 2015.11.01