「再生の道」52敗からの初勝利に党内沸く。「ここ最近では感じたことのないほど熱く、明るい」

11月9日投開票の葛飾区議選で、地域政党「再生の道」から岩見奈津代氏が初当選を果たした。石丸伸二氏が今年始めに立ち上げた同党は、都知事選台風の目の新党とあって話題性は抜群だったが…果たして都議選42人、参院選10人の計52人が全敗という散々な船出に。ようやく掴んだ“1勝52敗”の初勝利に、党内は沸き立っているようだ。
「我々は都議選と参院選の全敗以降、厳しい逆風の中で活動してきました。しかし岩見の当選によって、『やってきたことは間違っていなかった』という確信が広がりつつあります」
そう語るのは、都議選で同党から立候補し落選した、くれよしつぐ(久禮義継)氏だ。今回の勝利について「未来への確かな突破口」と力を込めて言った。
岩見氏は当選選挙区の葛飾区出身。都立墨田川高校、青山学院大学を経て大手出版社に勤務、2019年に独立し“言語化プロデューサー”として活動していた異色の経歴を持つ。
くれ氏は「潤沢な資金も、大人数の戦力もない。あるのは岩見本人の覚悟と、心から彼女を支えたいと集まったサポーターだけ」と“純度の高い戦い”だったことを強調する。言い換えれば党としての体制が整っていないということだが…とにかく岩見氏の地道な活動は際立っていたという。選挙戦では、誰よりも遅く、誰よりも早くから街頭に立っていた姿が印象的だったそう。
「疲れた表情を一度も見せず、市民に丁寧に手を振る。こうした真摯な振る舞いこそが、地域政治の現場で最も信頼を呼ぶ力なんだと気づかされました」
岩見氏の人柄についても「柔らかな物腰と強い意志を同時に備えた人物。人の話に耳を傾け、必要な情報を整理し、現実的な解決策を導き出す――政治家として当たり前でありながら容易ではないことを、愚直に積み重ねられる」とベタ褒めする。
党内の空気は「ここ最近では感じたことのないほど熱く、明るい」という。「『真剣に地域を想う人は、必ず政治の現場で評価される』という希望そのもの。ここを出発点に、より多くの市民とともに新しい政治の形を築いていきます」
立ち上げ人の石丸氏は今年8月に代表を退任済み。石丸氏が得意とするSNSの空中戦はもうできない。1勝52敗、草の根から逆襲なるか。
取材・文:BEST T!MES編集部
