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【データが暴く】日本維新の会の支持層を食う「チームみらい」が停滞する日本政治を粉砕する!? 【林直人】

国会での「チームみらい」党首・安野貴博(2025年8月4日)

 

第1部

停滞政治を打ち破る新勢力の登場

 

 2025年の参議院選挙は、日本政治史に刻まれる分水嶺となるかもしれない。
長らく続いた「改憲か護憲か」「自民か非自民か」という古びた対立軸――その退屈な構図を、**電脳武装した新興勢力「チームみらい」**が粉砕しようとしている。

 急速な少子高齢化とデジタル化が進む社会で、既存の政治システムは機能不全を起こしている。そんな停滞した政治状況に、突如として現れたのがAIエンジニア出身の政治家・安野たかひろ率いる「チームみらい」だ。

 彼らの躍進は、偶然でも一過性でもない。世代間経済とテクノロジー格差――日本社会の亀裂を真正面から抉り出す新しい政治対立軸の誕生なのである。

 

1-1 安野たかひろと「チームみらい」――ユーティリティ政党という革命

 安野はイデオロギーの闘犬場を拒絶し、政治を「社会課題解決の実装現場」と定義した。

 その理念は「テクノ・プラグマティズム(技術的実用主義)」という異端の旗印に凝縮されている。

 

・テクノロジー=権力奪取の道具ではなく、腐敗行政を駆逐する武器

・社会保険料負担の軽減=現役世代への公然たる反乱

・データ駆動型ガバナンス=情緒政治の終焉

 

 彼らは抽象的理念ではなく、政治資金の透明化ツールを開発して無償配布するなど、行動で既存政治を挑発。自らを「ユーティリティ政党」と称し、議席を超えた政治インフラへの寄生すら試みている

 つまり、従来型政党が「数」で競っていた選挙戦において、チームみらいは「システムそのもの」に浸食を開始したのだ。

 

1-2 共産党・維新との衝突――真の敵は誰か

 では、この怪物的な新勢力は誰の票田を喰い破ったのか。

 ここで浮上するのは、チームみらいVS日本維新の会のゼロサム戦争だ。
現役世代の負担軽減を叫ぶチームみらいと、同じ政策を掲げる日本維新の会――その衝突は、同じ支持者を巡る世代間内戦に等しい。

 さらに維新の改革票は、テクノロジーという実弾を持つチームみらいに流出しつつある。口先の改革か、コードで実装する改革か――有権者はもはや答えを出し始めている。

 

1-3 リサーチクエスチョンと仮説――数字が暴く「世代間戦争」

・RQ1: チームみらいに熱狂するのは誰か? 高所得・高学歴・都市集中という“新しい支配層”ではないか。

・RQ2: その支持は共産党の高齢者票への反発からを奪い取ったものか。

・RQ3: あるいは維新の“改革幻想票”を吸い上げたものか。

 

 これを検証するため、以下の仮説が立てられる:

・H1(社会経済的プロフィール仮説):得票率は所得・学歴・都市化と有意に正相関。

・H2(イデオロギー的対立仮説):共産党の得票率と有意に負相関。

・H3(支持層移行仮説):維新の得票率と有意に正相関。

 

 もしこれが立証されれば、2025年参院選は単なる選挙ではない。世代とテクノロジーを軸にした「新しい階級闘争」の幕開けである。

次のページデータが暴く「チームみらい」旋風の正体 〜 数字で解剖する新勢力の支持基盤とは?

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林直人

はやし なおと

起業家・作家

1991 年宮城県生まれ。仙台第二高等学校出身。独学で慶應義塾大学環境情報学部に入学(一般入試・英語受験)。在学中に勉強アプリをつくり起業するも大失敗する。その後、毎日10 分指導するネット家庭教師「毎日学習会」を設立し、現在に至る。毎年100 人以上の生徒を指導し、早稲田・慶應・上智を中心に合格者を多数輩出している(2021 年早慶上智進学者38 名・7/20 時点)。著書に『うつでも起業で生きていく』(河出書房新社)、『人間ぎらいのマーケティング人と会わずに稼ぐ方法』(実業之日本社)などがある。連絡先:https://x.com/everydayjukucho

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