【辞任相次ぐ】関西テレビ、性加害問題で専務退任も「本人は否定」という矛盾

関西テレビ(大阪市)は14日、喜多隆専務取締役(66)が社外の女性から性加害の訴えを受け、社内調査の結果、女性の訴えに「一定の真実性があると認定した」ことを公表した。性加害問題での幹部辞任は、4月の大多亮社長に続く異例の事態だ。
喜多氏は7日付で辞任。同社によると今年4月上旬、女性から「喜多氏に性加害を受けた」と通報があった。同社は社内調査チームを立ち上げ、外部弁護士も交えて双方から聞き取りを行うなどの調査を実施。「密室での出来事のため確定的な事実の認定はできなかった」としつつも、女性の訴えには一定の真実性があると判断し、同社の「倫理・行動憲章」に抵触すると認めた。
問題なのは、「一身上の都合」として喜多氏の辞任が9日に発表されていたにもかかわらず、本当の理由が公表されたのは週刊誌の報道が出る直前の14日だったこと。さらに同社によれば、本人は性加害を否定しているという矛盾した状況だ。
本人が否定しているのであれば、辞任ではなく真相解明のために戦うべきだろう。また、関テレ側も喜多氏の処分を行わない代わりに、辞任を促して事態を丸く収めようとしたのではないか。
関西テレビを巡っては、4月4日にも大多亮社長が突如辞任を表明。大多氏はフジテレビ時代に元SMAPの中居正広氏による女性への性暴力問題に対応していた人物で、第三者委員会の調査報告書で「人権意識の低さ」を指摘されていた。記者会見で「時代からズレていた」と述べた大多氏だが、発言の責任を果たすことなく表舞台から去った形だ。
一連の対応からは、当事者の声に真摯に向き合うよりも、テレビ局としてのイメージ保全を優先する「事なかれ主義」が透けて見える。
文:BEST T!MES編集部