■葬式はマナーよりも実務

連載「母への詫び状」第四十一回〉

 
 

 お葬式のマナーを、あれやこれやと講釈しているテレビ番組を見た。

 香典の水引は何色が正解ですとか、香典に入れるお札は新札は避けましょうとか、どうでもいい些細なことを真面目な顔で解説していたが、いざ親の葬式を取り仕切った側の率直な感想は「そこじゃない」。

 葬式のマナーで大事なこと。それは、参列者や香典を渡す人は、必ず郵便番号まできちんと記帳(記入)することだと思う。

 住所と名前だけで、郵便番号を書いていない人は、あとから香典返しやら何やらのときに、いちいち不便で面倒くさくて仕方がない。水引の色だの、お札の向きだの、そんな決まりよりもこっちがずっと重要である。

 それから香典の金額も、なるべく香典袋に書いて欲しい。誰にいくらいただいたのか、注意してメモしておかないと、お金を袋から出した時点でわからなくなってしまう。

  この辺は葬式に慣れた人には常識なのかも知れないが、初めて喪主として仕切る側に回った者はそんな手はずもよくわかっていない。マナーより実務を重んじたほうが、相手のためになる場合もある。

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