銀座もとじ代表・泉二啓太、「Mikkeキュレーターズ・コンペティション」特別賞受賞初キュレーションによる特別展「考土 code -奄美-」を開催
銀座もとじ(代表取締役社長:泉二啓太)は、1979年の創業以来、日本各地の染織作家や工房、産地とともに、着物文化の美と精神を現代に伝えてきました。
このたび代表の泉二啓太(もとじけいた)が、「Mikkeキュレーターズ・コンペティション」において、奄美の伝統織物 大島紬の技術「泥染」の新たな可能性を追求した5点の反物作品《泥中の布(でいちゅうのぎん)》で特別賞を受賞。
この受賞を機に、泉二にとって初のキュレーションとなる特別展「考土 code -奄美-」を、2025年6月27日(金)~7月14日(月・祝)の会期で、Mikke GALLERY(東京都新宿区四谷1丁目4 四谷駅前ビル5F)にて開催します。
染織の可能性を広げ、未来へとつなぐことを目的に2022年に泉二啓太が立ち上げたプロジェクト「HIRAKI project(ヒラキ・プロジェクト)」(*)──第一弾「FUYU」、第二弾「泥中の布(でいちゅうのぎん)」を開催する中で、泉二はよりその土地の風土と土地に根ざす記憶や素材に興味を持ちました。
本展では特別賞を受賞した「泥中の布」の第二弾の発表作品以外に、「考土」(こうど)という展覧会タイトルのもと、6組のアーティストとともに、奄美という泉二のルーツである土地を、作品を通して考え、紐解く展覧会です。

「泥中の布」ロゴ
■展覧会タイトルと企画背景
「考土(こうど)」--その土地を考えること
「code(コード)」--その土地の素材や要素を紐解くこと
本展は泉二にとって初のキュレーションとなる展覧会であり、6組のアーティストによる作品を通じて、奄美の自然と人、そして染織の未来を多角的に捉える試みでもあります。
「考土」というテーマには、奄美という地を起点に、人々が暮らしてきた土地に宿る記憶や、そこに根ざした素材、技法、価値観に改めて向き合うという視点が込められています。
アーティストたちはそれぞれの感性で奄美の自然や文化を掘り下げながら、他の土地にも通じる普遍的な問いを投げかけます。土地の「コード(code)」を読み解き、編み直すことで、過去と未来、個と地域、伝統と創造のあいだに新たな接点を見出すことを目指します。

「泥中の布」4反
■ステートメント
地を知ることは、その土地の記憶を辿ることでもある。
産業革命以降、人々の暮らしは豊かになってきた一方で、産業がもたらす物流によって、地域性(ヴァナキュラー)や風土特有の素材の価値が薄れ、代替可能なマテリアルが日常に広がってきている。
大地を掘り、その土をみつめることは土着的な素材の豊かさを再発見・再解釈することに繋がるのではないか。これが活動としての“考土”が目指す指針となった。
今回の展示では、奄美大島という琉球と大和の文化が混合する亜熱帯特有の環境に着目した。
島の総面積の約80%が山地で占められている奄美、世界的にみれば乾燥地域が大半を占める緯度に位置していながら、年間降水量が約3,000mmもあることで「亜熱帯雨林」の森が形成されている。
その地が産みだす糖は黒糖焼酎となり、大地がもつ泥は紬となり、奄美の二大産業となった。
かつて奄美では上質な泥を意味する“ジョウミチャ”と呼ばれる泥田が存在していた。
特別な場ゆえ、自分だけのものとして秘匿されてきたが、時代の変化とともにその価値が忘れられ、次第に失われていった。
今回、2年の歳月をかけて奄美の大地を探っていくなかで、新たな“ジョウミチャ”とでくわすことができた。かつてのような消費されてしまったマテリアルとしての流用ではなく、奄美の大地の財産として、未来へ伝え、継承していく一躍を担うことができないかと思い、出展作家の協力のもとに展示作品の一部として表現した。
奄美の工芸としては車輪梅と泥で染めを100回ほど重ねることで色に深みが増し、「漆黒」という大島の染めの独特の価値を生み出す。今回は車輪梅に限らず、奄美の大地に自生する違った草木に焦点を当ててみた。月桃、椎木、ヒカゲヘゴ、福木と泥を染め重ねていく試みにより、泥染の色味がまた違った広がりへと色が現れた。
土着的生産物の根底にある、土。 大地という芳醇な価値と向き合うことは今までの文化や産業の礎を尊重しつつも、新たな捉え方を生み出すきっかけが見えはじめるのではないか。
「考土(こうど)」とは、その地のなりたちを考えることであり、「code(コード)」とは、その地の素材や要素を現代的に紐解くことである。
自然の化学がここにある。
泉二啓太
■本展覧会の見どころ
・6組のアーティストが奄美でのフィールドワークをもとに制作した作品を展示
・土と植物が織りなす、五感に訴える染織のインスタレーション
・奄美の自然と人、記憶をつなぐ試み
・関連グッズ販売:Tシャツ(税込8,000円)、手ぬぐい(税込1,800円)ほか

山崎萌子「隙間 2023年」
◼︎会期中トークイベント、染のワークショップなど開催予定
・トークイベント 出展作家・キュレーターによる全3回のトークシリーズを開催。
展覧会の見どころや創作の背景について語ります。
*各回ともに14:00
第1回 日時:6月28日(土) 登壇者:金井志人、新城大地郎
ファシリテーター:泉二啓太
第2回 日時:6月29日(日) 登壇者:金井志人、泉二啓太、柳晋哉
第3回 日時:7月12日(土) 登壇者:高須賀活良、山崎広樹
ファシリテーター:泉二啓太
・染のワークショップ 会期中の毎週末、染のワークショップを開催。
予約方法や日時につきましては、順次Mikke GALLERYウェブサイトにて公開いたします。

「考土」ビジュアル
■参加アーティスト・プロフィール

泉二啓太 Keita Motoji 特別展「考土 code -奄美-」キュレーター
1984年生まれ。「銀座もとじ」代表取締役社長。
高校卒業後、ロンドンの大学でファッションを学び、卒業後パリへ渡り、2008年に帰国。 2009年に「銀座もとじ」に入社。2022年9月、代表取締役社長に就任。
「着物をワードローブの一つの選択肢に」「着物に関わる仕事が憧れられる職業に」その夢を叶えるため、店舗での接客をはじめ、日本全国の産地・作家を自ら訪れオリジナル商品の開発や、お客様参加型の純国産の蚕からの着物づくりの企画運営、次世代に向けて日本の手仕事や着物の魅力を伝えるワークショップを開催。
2022年11月には染織の可能性を広げ未来へと繋げることを目的としたHIRAKI projectを立ち上げ、宮城県の採石場・大蔵山スタジオと草木染作家の共同制作による、「FUYU」展を開催、2023年には大島紬の泥染めを追求した「泥中の布」展を開催。本展は第三弾「考土」の発表となる。
また、銀座の柳で染めを施した作品などもプロデュース。着物文化を国内外に広める活動を精力的に行っている。

金井 志人 Yukihito Kanai 染色家。
1979年奄美大島生まれ。
奄美大島紬の泥染めを担う金井工芸の後継者。泥染めをはじめとする伝統的な天然染色に携わりながら、ファッションブランドとのコラボレーションや、布以外の素材の染色など、新しいジャンルの開拓も積極的に展開している。
伝統的な技法を新しい目線で取り入れる姿勢が、多くのアーティストからも支持されている。

新城大地郎 Daichiro Shinjo
1992年、沖縄県宮古島生まれ。静岡文化芸術大学卒。禅僧で民俗学者の岡本恵昭を祖父に持ち、幼少期より禅や仏教文化に親しみながら書道を始める。
禅のほか沖縄の精神文化を背景にして、伝統書道に新たな光を当てる自由なスタイルを追求。
身体性と空間性を伴う現代的な表現で、形式にとらわれない書を展開している。
2017年、Playmountain Tokyo で初個展「Surprise」を開催。その後、ロサンゼルスの ALTA Gallery ( 2023年 ) など国内外で展示を行う。
2021年に tricot COMME des GARCONS、2024年に TAO のコレクションに作品が起用され、2021年にはエルメス制作のドキュメンタリーフィルム「 HUMAN ODYSSEY 」に出演。
2022年には、地元である宮古島に「 PALI GALLERY 」をオープンさせた。
2014年 静岡文化芸術大学卒業 2017年 個展「 Surprise 」Playmountain Tokyo 2022年 PALI GALLERYを開く 2023年 海外初個展「 Black Wax 」ALTA Gallery , Los Angeles 2024年 金沢21世紀美術館「すべてのものとダンスを踊って - 共感のエコロジー 」展に出展。

高須賀 活良 Katsura Takasuka アーティスト/繊維表現者
植物や土地に宿る記憶、祈り、時間の層に耳を澄ませ、それらを繊維というメディウムで可視化する作品を制作。楮、葛、苧麻、大麻など、古代より人々の手によって育まれてきた植物素材を用い、採集、糸づくり、染色、織り、造形に至るまでを自身の手で一貫して行う。
素材に触れることは、土地と対話すること。自然から預かった命を、かたちにして返すという循環的な思想を根底に据える。 東京造形大学でテキスタイルデザインを学び、2011年に修士号を取得。
縄文時代から続く、古代布に関心を深め、日本各地の伝統技法や風土に根ざした制作・調査を続けてきた。
アーティスト活動と並行して、山梨の「ハタオリマチのハタ印」、福井の「レピヤンリボン」など、地域の繊維文化を現代の視点で再解釈するプロジェクトも展開。
2021年からは、テキスタイルとアートを結ぶ芸術祭「FUJI TEXTILE WEEK」の産地展ディレクターを務める。
地域を繊維文化から読み解く教科書『ハタオリ学』(編著)は、2024年度グッドデザイン賞を受賞。 繊維という身体的な行為を通じて、見えないものと共に生きる感覚を、現代におけるアニミズム的表現として探っている。

柳 晋哉 Shinya Yanagi 染織家。
1987年東京都生まれ。
民藝運動の父と呼ばれた柳宗悦氏の甥にあたる、柳悦博さんを祖父に、崇さんを父に持つ。
インテリアデザインの専門学校を卒業後、建築会社への勤務を経て、崇さんが二代目を務める「柳染織工房」に入所し染織の道へ。
入所2年後に自身の名前で初制作した作品を「日本民藝館展」に初出品、初入選。
2019年には日本民藝館展奨励賞を受賞し、2021年に独立。
民藝は「手仕事のもつエネルギー」であると語り、柳家のもの作りの根幹にある美意識、糸へのこだわりや染織技法を受け継ぎながら、新しい感性を活かした作品を制作している。

山崎広樹 Hiroki Yamazaki 染色家/草木染作家
1988年川崎市生まれ。
2011年東京農業大学卒業。
2013年父・和樹主宰の草木工房で草木染を始める。
2015年「第18回岡本太郎現代芸術賞」に入選。
2016年松原染織工房で松原與七氏より型染を学ぶ。
2018年銀座もとじ「男のきものシーズナルコレクション」に参加し、型染の帯を初出品。2019年「中国杭州天然染色会議」に父と共に参加。
2019年岡谷市蚕糸博物館、2020年高崎市染料植物園の企画展に型染帯を出品。
2022年銀座もとじ・大蔵山スタジオの企画展「FUYU」で初個展。
2022年より東北芸術工科大学非常勤講師。2024年より女子美術大学非常勤講師。

山崎 萌子 Moeko Yamazaki
与那国島と東京を拠点に活動。
沖縄の伝統的な琉球紙の技術を用いた平面・立体作品・インスタレーションの制作を通して、表現の可能性を追求する。
主な展示に、「墨袋を裂く」(ギャラリー空の間, Tokyo, 2024)、「泛海」(MITSUKOSHI CONTEMPORARY GALLERY, Tokyo, 2024)、「中」(SUKIMA GALLERY, Tokyo, 2023)、三天」(HIRO OKAMOTO Art Gallery Tokyo, 2023)等。
■ご参考
(*)「HIRAKI project」
https://www.motoji.co.jp/blogs/reading/motojikeita-information#hiraki

■Mikke GALLERYについて
一般社団法人Open Art Labが運営するキュレーションに特化したアートスペースです。キュレーターの育成とアーティストとの新しい創造の場の提供を目的に、ジャンルや世代を超えた多様な展示企画を展開しています。
https://mikke-gallery.com/

■銀座もとじについて
1979年創業。東京・銀座に女性の「織り」と「染め」の着物専門店「銀座もとじ 和織・和染」と、2002年に日本初・男性の着物専門店としてオープンした「銀座もとじ 男のきもの」の2店舗を展開。
人間国宝による作品や重要無形文化財をはじめ、日本全国から集めた選りすぐりの着物や帯(染織品)を通して、日本の手仕事の素晴らしさを紹介しています。
世界初・雄だけの純国産蚕品種「プラチナボーイ」の絹糸を使った生産履歴の明確な“顔の見えるものづくり”や、蚕から誂える体験型プロジェクト「プラチナボーイ物語」、作り手との出会いを育む展示企画を継続的に実施しています。
https://www.motoji.co.jp/
【本件に関する報道関係のお問い合わせ先】
株式会社銀座もとじ 広報:中澤 MAIL:press@motoji.co.jp
【会場・展示・ワークショップ・イベントに関するお問い合わせ先】
Mikke GALLERY(一般社団法人Open Art Lab) MAIL:info@mikke-gallery.com
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このたび代表の泉二啓太(もとじけいた)が、「Mikkeキュレーターズ・コンペティション」において、奄美の伝統織物 大島紬の技術「泥染」の新たな可能性を追求した5点の反物作品《泥中の布(でいちゅうのぎん)》で特別賞を受賞。
この受賞を機に、泉二にとって初のキュレーションとなる特別展「考土 code -奄美-」を、2025年6月27日(金)~7月14日(月・祝)の会期で、Mikke GALLERY(東京都新宿区四谷1丁目4 四谷駅前ビル5F)にて開催します。
染織の可能性を広げ、未来へとつなぐことを目的に2022年に泉二啓太が立ち上げたプロジェクト「HIRAKI project(ヒラキ・プロジェクト)」(*)──第一弾「FUYU」、第二弾「泥中の布(でいちゅうのぎん)」を開催する中で、泉二はよりその土地の風土と土地に根ざす記憶や素材に興味を持ちました。
本展では特別賞を受賞した「泥中の布」の第二弾の発表作品以外に、「考土」(こうど)という展覧会タイトルのもと、6組のアーティストとともに、奄美という泉二のルーツである土地を、作品を通して考え、紐解く展覧会です。

「泥中の布」ロゴ
■展覧会タイトルと企画背景
「考土(こうど)」--その土地を考えること
「code(コード)」--その土地の素材や要素を紐解くこと
本展は泉二にとって初のキュレーションとなる展覧会であり、6組のアーティストによる作品を通じて、奄美の自然と人、そして染織の未来を多角的に捉える試みでもあります。
「考土」というテーマには、奄美という地を起点に、人々が暮らしてきた土地に宿る記憶や、そこに根ざした素材、技法、価値観に改めて向き合うという視点が込められています。
アーティストたちはそれぞれの感性で奄美の自然や文化を掘り下げながら、他の土地にも通じる普遍的な問いを投げかけます。土地の「コード(code)」を読み解き、編み直すことで、過去と未来、個と地域、伝統と創造のあいだに新たな接点を見出すことを目指します。

「泥中の布」4反
■ステートメント
地を知ることは、その土地の記憶を辿ることでもある。
産業革命以降、人々の暮らしは豊かになってきた一方で、産業がもたらす物流によって、地域性(ヴァナキュラー)や風土特有の素材の価値が薄れ、代替可能なマテリアルが日常に広がってきている。
大地を掘り、その土をみつめることは土着的な素材の豊かさを再発見・再解釈することに繋がるのではないか。これが活動としての“考土”が目指す指針となった。
今回の展示では、奄美大島という琉球と大和の文化が混合する亜熱帯特有の環境に着目した。
島の総面積の約80%が山地で占められている奄美、世界的にみれば乾燥地域が大半を占める緯度に位置していながら、年間降水量が約3,000mmもあることで「亜熱帯雨林」の森が形成されている。
その地が産みだす糖は黒糖焼酎となり、大地がもつ泥は紬となり、奄美の二大産業となった。
かつて奄美では上質な泥を意味する“ジョウミチャ”と呼ばれる泥田が存在していた。
特別な場ゆえ、自分だけのものとして秘匿されてきたが、時代の変化とともにその価値が忘れられ、次第に失われていった。
今回、2年の歳月をかけて奄美の大地を探っていくなかで、新たな“ジョウミチャ”とでくわすことができた。かつてのような消費されてしまったマテリアルとしての流用ではなく、奄美の大地の財産として、未来へ伝え、継承していく一躍を担うことができないかと思い、出展作家の協力のもとに展示作品の一部として表現した。
奄美の工芸としては車輪梅と泥で染めを100回ほど重ねることで色に深みが増し、「漆黒」という大島の染めの独特の価値を生み出す。今回は車輪梅に限らず、奄美の大地に自生する違った草木に焦点を当ててみた。月桃、椎木、ヒカゲヘゴ、福木と泥を染め重ねていく試みにより、泥染の色味がまた違った広がりへと色が現れた。
土着的生産物の根底にある、土。 大地という芳醇な価値と向き合うことは今までの文化や産業の礎を尊重しつつも、新たな捉え方を生み出すきっかけが見えはじめるのではないか。
「考土(こうど)」とは、その地のなりたちを考えることであり、「code(コード)」とは、その地の素材や要素を現代的に紐解くことである。
自然の化学がここにある。
泉二啓太
■本展覧会の見どころ
・6組のアーティストが奄美でのフィールドワークをもとに制作した作品を展示
・土と植物が織りなす、五感に訴える染織のインスタレーション
・奄美の自然と人、記憶をつなぐ試み
・関連グッズ販売:Tシャツ(税込8,000円)、手ぬぐい(税込1,800円)ほか

山崎萌子「隙間 2023年」
◼︎会期中トークイベント、染のワークショップなど開催予定
・トークイベント 出展作家・キュレーターによる全3回のトークシリーズを開催。
展覧会の見どころや創作の背景について語ります。
*各回ともに14:00
第1回 日時:6月28日(土) 登壇者:金井志人、新城大地郎
ファシリテーター:泉二啓太
第2回 日時:6月29日(日) 登壇者:金井志人、泉二啓太、柳晋哉
第3回 日時:7月12日(土) 登壇者:高須賀活良、山崎広樹
ファシリテーター:泉二啓太
・染のワークショップ 会期中の毎週末、染のワークショップを開催。
予約方法や日時につきましては、順次Mikke GALLERYウェブサイトにて公開いたします。

「考土」ビジュアル
■参加アーティスト・プロフィール

泉二啓太 Keita Motoji 特別展「考土 code -奄美-」キュレーター
1984年生まれ。「銀座もとじ」代表取締役社長。
高校卒業後、ロンドンの大学でファッションを学び、卒業後パリへ渡り、2008年に帰国。 2009年に「銀座もとじ」に入社。2022年9月、代表取締役社長に就任。
「着物をワードローブの一つの選択肢に」「着物に関わる仕事が憧れられる職業に」その夢を叶えるため、店舗での接客をはじめ、日本全国の産地・作家を自ら訪れオリジナル商品の開発や、お客様参加型の純国産の蚕からの着物づくりの企画運営、次世代に向けて日本の手仕事や着物の魅力を伝えるワークショップを開催。
2022年11月には染織の可能性を広げ未来へと繋げることを目的としたHIRAKI projectを立ち上げ、宮城県の採石場・大蔵山スタジオと草木染作家の共同制作による、「FUYU」展を開催、2023年には大島紬の泥染めを追求した「泥中の布」展を開催。本展は第三弾「考土」の発表となる。
また、銀座の柳で染めを施した作品などもプロデュース。着物文化を国内外に広める活動を精力的に行っている。

金井 志人 Yukihito Kanai 染色家。
1979年奄美大島生まれ。
奄美大島紬の泥染めを担う金井工芸の後継者。泥染めをはじめとする伝統的な天然染色に携わりながら、ファッションブランドとのコラボレーションや、布以外の素材の染色など、新しいジャンルの開拓も積極的に展開している。
伝統的な技法を新しい目線で取り入れる姿勢が、多くのアーティストからも支持されている。

新城大地郎 Daichiro Shinjo
1992年、沖縄県宮古島生まれ。静岡文化芸術大学卒。禅僧で民俗学者の岡本恵昭を祖父に持ち、幼少期より禅や仏教文化に親しみながら書道を始める。
禅のほか沖縄の精神文化を背景にして、伝統書道に新たな光を当てる自由なスタイルを追求。
身体性と空間性を伴う現代的な表現で、形式にとらわれない書を展開している。
2017年、Playmountain Tokyo で初個展「Surprise」を開催。その後、ロサンゼルスの ALTA Gallery ( 2023年 ) など国内外で展示を行う。
2021年に tricot COMME des GARCONS、2024年に TAO のコレクションに作品が起用され、2021年にはエルメス制作のドキュメンタリーフィルム「 HUMAN ODYSSEY 」に出演。
2022年には、地元である宮古島に「 PALI GALLERY 」をオープンさせた。
2014年 静岡文化芸術大学卒業 2017年 個展「 Surprise 」Playmountain Tokyo 2022年 PALI GALLERYを開く 2023年 海外初個展「 Black Wax 」ALTA Gallery , Los Angeles 2024年 金沢21世紀美術館「すべてのものとダンスを踊って - 共感のエコロジー 」展に出展。

高須賀 活良 Katsura Takasuka アーティスト/繊維表現者
植物や土地に宿る記憶、祈り、時間の層に耳を澄ませ、それらを繊維というメディウムで可視化する作品を制作。楮、葛、苧麻、大麻など、古代より人々の手によって育まれてきた植物素材を用い、採集、糸づくり、染色、織り、造形に至るまでを自身の手で一貫して行う。
素材に触れることは、土地と対話すること。自然から預かった命を、かたちにして返すという循環的な思想を根底に据える。 東京造形大学でテキスタイルデザインを学び、2011年に修士号を取得。
縄文時代から続く、古代布に関心を深め、日本各地の伝統技法や風土に根ざした制作・調査を続けてきた。
アーティスト活動と並行して、山梨の「ハタオリマチのハタ印」、福井の「レピヤンリボン」など、地域の繊維文化を現代の視点で再解釈するプロジェクトも展開。
2021年からは、テキスタイルとアートを結ぶ芸術祭「FUJI TEXTILE WEEK」の産地展ディレクターを務める。
地域を繊維文化から読み解く教科書『ハタオリ学』(編著)は、2024年度グッドデザイン賞を受賞。 繊維という身体的な行為を通じて、見えないものと共に生きる感覚を、現代におけるアニミズム的表現として探っている。

柳 晋哉 Shinya Yanagi 染織家。
1987年東京都生まれ。
民藝運動の父と呼ばれた柳宗悦氏の甥にあたる、柳悦博さんを祖父に、崇さんを父に持つ。
インテリアデザインの専門学校を卒業後、建築会社への勤務を経て、崇さんが二代目を務める「柳染織工房」に入所し染織の道へ。
入所2年後に自身の名前で初制作した作品を「日本民藝館展」に初出品、初入選。
2019年には日本民藝館展奨励賞を受賞し、2021年に独立。
民藝は「手仕事のもつエネルギー」であると語り、柳家のもの作りの根幹にある美意識、糸へのこだわりや染織技法を受け継ぎながら、新しい感性を活かした作品を制作している。

山崎広樹 Hiroki Yamazaki 染色家/草木染作家
1988年川崎市生まれ。
2011年東京農業大学卒業。
2013年父・和樹主宰の草木工房で草木染を始める。
2015年「第18回岡本太郎現代芸術賞」に入選。
2016年松原染織工房で松原與七氏より型染を学ぶ。
2018年銀座もとじ「男のきものシーズナルコレクション」に参加し、型染の帯を初出品。2019年「中国杭州天然染色会議」に父と共に参加。
2019年岡谷市蚕糸博物館、2020年高崎市染料植物園の企画展に型染帯を出品。
2022年銀座もとじ・大蔵山スタジオの企画展「FUYU」で初個展。
2022年より東北芸術工科大学非常勤講師。2024年より女子美術大学非常勤講師。

山崎 萌子 Moeko Yamazaki
与那国島と東京を拠点に活動。
沖縄の伝統的な琉球紙の技術を用いた平面・立体作品・インスタレーションの制作を通して、表現の可能性を追求する。
主な展示に、「墨袋を裂く」(ギャラリー空の間, Tokyo, 2024)、「泛海」(MITSUKOSHI CONTEMPORARY GALLERY, Tokyo, 2024)、「中」(SUKIMA GALLERY, Tokyo, 2023)、三天」(HIRO OKAMOTO Art Gallery Tokyo, 2023)等。
■ご参考
(*)「HIRAKI project」
https://www.motoji.co.jp/blogs/reading/motojikeita-information#hiraki

■Mikke GALLERYについて
一般社団法人Open Art Labが運営するキュレーションに特化したアートスペースです。キュレーターの育成とアーティストとの新しい創造の場の提供を目的に、ジャンルや世代を超えた多様な展示企画を展開しています。
https://mikke-gallery.com/

■銀座もとじについて
1979年創業。東京・銀座に女性の「織り」と「染め」の着物専門店「銀座もとじ 和織・和染」と、2002年に日本初・男性の着物専門店としてオープンした「銀座もとじ 男のきもの」の2店舗を展開。
人間国宝による作品や重要無形文化財をはじめ、日本全国から集めた選りすぐりの着物や帯(染織品)を通して、日本の手仕事の素晴らしさを紹介しています。
世界初・雄だけの純国産蚕品種「プラチナボーイ」の絹糸を使った生産履歴の明確な“顔の見えるものづくり”や、蚕から誂える体験型プロジェクト「プラチナボーイ物語」、作り手との出会いを育む展示企画を継続的に実施しています。
https://www.motoji.co.jp/
【本件に関する報道関係のお問い合わせ先】
株式会社銀座もとじ 広報:中澤 MAIL:press@motoji.co.jp
【会場・展示・ワークショップ・イベントに関するお問い合わせ先】
Mikke GALLERY(一般社団法人Open Art Lab) MAIL:info@mikke-gallery.com
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