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日本発の教員養成手法で、教師の成長をサポート。教育格差を解消する取り組みとは?

学力や理解度に差がある子ども全員が学べる教室へ。日本発の教員育成モデルを活かし、教師の挑戦を支える国境を越えた教育改革プロジェクトが始まる。




子どもの学びを支える最大のカギは、教師の学びにある。
認定NPO法人SALASUSU(読み:サラスースー、代表:青木健太、本部:福岡県北九州市)は、日本で生まれた教員育成手法をもとに、カンボジアですべての子どもが安心して学べる教室づくりに挑んでいる。
現地の教師だけでなく、日本の現役教師たちも学び合いに参加し、国境を越えた実践と対話を通じて教育格差の解消を目指す。
この挑戦を次のステージへ進めるため、5月12日からクラウドファンディングを開始する。
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「学びから取り残される子ども」をなくすために
日本でも「個別最適な学び」が重要視されている。
平成29年(2017年)改訂の学習指導要領では、「主体的・対話的で深い学び」の実現に向け、児童の理解度や特性に応じた指導の充実が求められている。
これを受け、習熟度別指導や協同的な学びなど、さまざまな工夫による授業改善が進められている。
カンボジアでも、子どもたちの学びに大きな格差が広がっている。
カンボジアでは、約90%の子どもが小学校を卒業しているが、世界銀行によると、10歳児のうち年齢相応の読解力を持つ子どもはわずか1割にとどまる。
「通えているのに、学べていない」という“学習の貧困”が、深刻な社会課題となっている。

日本発の手法で「誰も取り残されない教室」をつくる実験校



SALASUSUは、日本で発展した教師養成手法の一つである授業研究と協同学習を組み合わせた教師育成に取り組んでいる。
その実践の場として、カンボジアシェムリアップ州郊外の農村に「SALASUSU実験校」を設立した。補習校として、公立校に通う小学生4~6年生約50名が放課後に通う。
この学校では、一方的に教える授業をやめ、子ども主体で学習する協同学習を実践。
学力や理解度が異なる子どもたちが、同じ教室でそれぞれの学びを深める授業を実現している。
教師は、子どもの様子を観察し、必要に応じて問いかけや支援を行い、授業を柔軟に組み立てている。
週1回と高頻度で行われる授業研究では、教師同士が授業を見合い、子どもの変化を手がかりに授業を改善し続けている。
実験校は、「誰も取り残されない教室」を実現できる教師を育てる拠点として、挑戦を続けている。

教師と専門家が挑む、国境を越えた学び合い





SALASUSUは、実験校で培った知見をカンボジア国内の公立校に広げる取り組みを始めている。
授業研究の導入や日本の教育専門家による研修を組み合わせ、学校全体で教師の学びを支える仕組みづくりを支え、中期的には政策提言を通じた拡大を目指す。
この取り組みには、日本の教師や、カンボジアの教師教育を専門とする東京大学准教授の荻巣崇世(おぎす たかよ)氏(大学院教育学研究科)をはじめとした教育専門家も参加する。
現地を訪れ、カンボジアの教師たちと授業を見て語り合い、共に学び合う「ラーニングジャーニー」を実施する。
逆に、カンボジアの教師が日本の学校現場を訪れ、異なる教育文化を体験する交流も計画している。
国を超えた実践と対話が、教師一人ひとりの挑戦を後押しし、教育の可能性を広げていく。

クラウドファンディングで挑戦を後押し
SALASUSUは、こうした挑戦をさらに広げるため、5月12日からクラウドファンディングを開始する。 目標は1,200万円。支援は以下の活動に活用する。
- 実験校の運営(教員人件費・教材費・設備費・生徒送迎費)
- カンボジア国内の授業研究・研修プロジェクト
- 日本・カンボジア間のラーニングジャーニー実施
- 教育専門家への謝金
- SNS・映像・報告資料制作と広報活動

2030年までに、パートナー校を8校に拡大し、政策提言を通じカンボジア全国1500校(全体の15%)への普及を目指す。
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