日本人は沈黙に強い?「7.8秒沈黙しても気まずくない」という日本人の”沈黙”への耐性を調査!

春は新生活がスタートする時期で、新しい人との出会いが増えるタイミングでもあります。新しい人との出会いは刺激的である反面、慣れてないが故にコミュニケーションがうまく取れず、時には沈黙になってしまうことも多いのではないでしょうか。
「沈黙=気まずい」というイメージを持つ人も多いと思いますが、「沈黙」はその場面ごとに様々な意味を持ちます。確かに、あまり親しくない人と世間話をしている時、話の切れ目に長い沈黙になると気まづさを感じる人も多いでしょう。しかし一方で、「雄弁は銀、沈黙は金」とも言われ、時には沈黙は雄弁であることよりも価値があり、話の説得力が増したり、災いを招かないともされています。
時々訪れる「沈黙」に対する感じ方は、国によって違いがあるのでしょうか?シャイで控えめな印象を持たれることが多い日本人は、沈黙に対して敏感な方なのでしょうか。
英会話個人レッスンや、韓国語個人レッスンを提供し、語学学習を通じて人々のキャリアアップを支援するオンライン語学学習プラットフォーム Preply(プレプリー)は、世界各国で「沈黙」についてどう感じるのか調査を行いました。
仕事の場面で沈黙が続いたとしても、その人にとってはそれが気まずくなる要因とは限りません。その国の文化やその文化で育った人の感じ方を知ることは、様々な国の人とコミュニケーションを取る上で非常に重要です。
自信を持ってコミュニケーションを取れる人を増やすために、今回は沈黙に関する調査を行いました。
調査結果
- 日本人は何秒沈黙が続くと気まずさを感じる?
- - 「沈黙が気まずく感じるまでの時間」が、日本は7.8秒と世界平均より長く、日本人は沈黙に強い傾向ということが判明しました。
- 日本人が最も恐れる気まずい沈黙のシチュエーションは?
- - 「見知らぬ人との何気ない会話」が第1位、次いで第2位が「初デート」でした。日本では、相手を気遣い「空気を読む」ことが重視されるため、あまり親しくない人との沈黙は、特に居心地の悪さを感じやすい傾向にあると判明しました。
- 日本人は誰との沈黙に特に気まずさを感じるか?
- - 日本人は特に「上司との沈黙」に気まずさを感じやすいことが判明。日本では、上司との円滑なコミュニケーションが重視されるため、沈黙が不安や緊張を生むことが多いようです。
日本人は長く沈黙に耐えられることが判明

沈黙は予期せぬタイミングでやってきます。一瞬であればそれほど気にならないはずの沈黙の時間ですが、それが長く続くと居心地の悪さを感じる人も多いようです。
では、沈黙がどれくらい続くと人は気まずさを感じるのでしょうか?「予期せぬ沈黙から気まずさを感じるまでの時間」について調査したところ、世界の平均は約6.8秒であることがわかりました。この秒数の長さは各国で違いが見られます。
国ごとにみていくと、予期せぬ沈黙で気まずさや不快感を感じる人が多いのは「ブラジル」で、実に85%(気まずさを感じない人はわずか15%)の人が気まずさを感じるということが明らかになりました。そして、気まずさを感じるまでの秒数はわずか5.5秒と、最もすぐに居心地の悪さを感じてしまうことが判明しました。陽気なイメージが強いブラジル人は、活発で途切れることのない会話を好む傾向にあるようです。
一方で、日本は「沈黙で気まずさを感じにくいグループ」に入ることがわかりました。気まずさや不快感を感じると回答したのは79%(気まずさを感じない人は21%)と少なくない数字ですが、気まずさを感じるまでの秒数は7.8秒と、比較的長いことがわかります。
また、タイは日本よりさらに長い沈黙に耐えられることが分かりました。その長さは8.1秒と、世界平均と比較してプラス1.3秒長いことが分かりました。
沈黙は、相手の話にじっくり耳を傾けたり、思慮深く考えたりする姿勢として、ポジティブに受け取られることもあります。こうした文化的な背景もあってか、日本やタイでは比較的長い沈黙でも気まずさを感じにくい傾向が見られるのかもしれません。
最も恐れている気まずい沈黙のシチュエーションは「見知らぬ人との何気ない会話の中での沈黙」
沈黙はシチュエーションによっては自然に受け入れられるものですが、場合によっては強い不安や不快感を引き起こします。
人は、どんな時に沈黙になることを最も恐れているのでしょうか?今回は日本と、先ほどのランキングで最も「沈黙に耐えられない」という結果になったブラジルを比較していきます。

日本とブラジルにおける「沈黙」に対する感じ方には、文化的な違いがはっきりと表れています。
日本で最も気まずく感じる沈黙のシチュエーションは「見知らぬ人との何気ない会話」(36.0%)で、次いで「初デート」(28.7%)が挙げられています。日本では、相手への気配りや「空気を読む」ことが大切にされているため、まだ距離のある相手との沈黙が特に気まずく感じられる傾向があります。沈黙が「気を悪くさせたかもしれない」「会話を続けなければならない」といったプレッシャーを生むことが、日本人にとっての不安につながっているようです。見知らぬ人や初デートの相手との沈黙が怖いと感じる背景には、調和や礼儀を重んじる日本の文化が反映されていると考えられます。
一方で、ブラジルでは「人前で話す時」(47.7%)が特に割合が高く、公の場という緊張感が高まる場面での沈黙が特に恐れられています。ブラジルでは感情を素直に表現し、人とのつながりや自己表現を大切にする文化があるため、沈黙が「自信のなさ」や「場を盛り上げられていない」と受け取られることを避けたいという意識が働くのかもしれません。
特に人前で話す状況では、沈黙が「話が途切れてしまった」「失敗した」と感じられやすく、恐れられる要因になっていると考えられます。
このように、日本では「相手に不快な思いをさせてしまうこと」への不安が沈黙の原因になりやすいのに対して、ブラジルでは「自分をうまく表現できないこと」などへの不安が大きいと考えられます。日本における沈黙は「場の調和が乱れること」への恐れ、ブラジルにおける沈黙は「自己表現がうまくいかず、人との関係や印象に悪影響を与えること」への不安というように、恐れる理由が異なっている可能性があります。
誰との沈黙を気まずいと感じる?日本人は特に上司との沈黙に気まずさを感じやすい
では、誰と沈黙になると気まずさを感じやすいのでしょうか?ここでも日本とブラジルの結果を比較しながら、日本人の沈黙に対する感じ方を考察していきます。

1. 職場(上司・同僚)との沈黙の気まずさ
両国とも、上司との沈黙は気まずさを感じやすいようですが、日本の方がその割合が若干高いことがわかります。日本の職場文化は、上下関係を強く意識する傾向にあります。例えば、会議や仕事の場面で上司と沈黙が続くと、「何か問題があるのかな..?」と感じることが多いでしょう。日本では、上司との会話が円滑であることが重要視され、沈黙があると気まずさや不安を感じやすいと考えられます。
一方、ブラジルでも上司との沈黙を気まずく感じる人は多く(39.7%)、上下関係においてもフレンドリーさを保ちつつ、会話を絶やさないことが重視されているのかもしれません。
2. 知らない人との沈黙
ブラジルでは圧倒的に、知らない人との沈黙を気まずく感じることが分かりました(51.7%)。ブラジルでは、見知らぬ人にも積極的に話しかける人が多い傾向にあり、ちょっとした雑談を交わすことが日本より多い可能性があります。沈黙が続くと、「冷たい人だな」と感じられがちなため、会話を続けることが礼儀として重要視される可能性があります。
一方、日本では「知らない人とはあまり話さない方が無難」という考えが根強くあります。公共の場では、見知らぬ人と目を合わせても会話を始めることは少なく、沈黙自体がそれほど不自然に感じられません。この文化的な違いが、沈黙に対する感覚の違いを生んでいる可能性があります。
3. 恋人・友人との沈黙
ブラジルでは、恋人との沈黙が気まずいと感じる割合が日本の約2倍であることが分かります。ブラジルでは積極的に愛情表現をする人が多いため、沈黙は関係が冷めていると受け取られやすいのかもしれません。
一方、日本では「親しい間柄なら沈黙も心地よい」と考える傾向があります。例えば、デート中に静かなカフェで一緒に過ごしながら、お互いに本を読んだり、スマホを見たりすることも珍しくありません。むしろ、「無理に会話を続ける必要はない」という考えが一般的です。恋人同士でも、会話がない時間を自然なものとして楽しむことが多いようです。
4. 家族・義理の家族との沈黙
日本では、親族関係にも「適切な距離感」が求められます。特に遠い親戚(36.8%)や義理の家族(33.8%)とは礼儀を意識するため、沈黙が気まずくなりがちです。法事や親族の集まりで「何か話さなきゃ…!」と焦った経験がある人も多いのではないでしょうか?
一方、近い家族(8.2%)との沈黙はそれほど気にならないのも特徴的です。親しい間柄なら無理に会話をしなくてもいいという価値観があるため、リビングで各自スマホを見たりテレビを眺めたりする沈黙も、日本では自然なものとされています。
ブラジルでは、遠い親戚(27.8%)や義理の家族(15.4%)との沈黙に気まずさを感じる人の割合は、日本(遠い親戚:36.8%、義理の家族:33.8%)と比べて明らかに低くなっています。ブラジルは形式や礼儀よりもフランクな関係性を重視する文化であることが関係していると考えられます。多少沈黙があっても、「気まずい」より「自然」と受け止める人が多いのかもしれません。逆に、近い家族は日本よりも高い割合(14.8%)が気まずさを感じると回答しています。
ブラジルと比べると、日本は 「義理」や「礼儀」に敏感な文化でありながら、親密な関係ほど沈黙を自然なものと感じる傾向があるようです。この沈黙に対する価値観の結果は、日本人の対人関係における距離感をよく表しています。
まとめ
本調査から、日本人は比較的沈黙に長く耐えられることが分かりました。ブラジルなどの文化が異なる国と比較すると、各国で沈黙がどう捉えられているのかが分かるようになります。
沈黙は必ずしもネガティブなものではなく、シチュエーションによっては多少の沈黙は良い効果を生みます。しかし、場合によっては人に気まずさを感じさせてしまうこともあります。話し相手の人がどんな文化や価値観を持っているのかを知ることで、コミュニケーションを円滑に進めることができます。
オンライン語学学習プラットフォーム「プレプリー」では、英語の他にも中国語、スペイン語などをはじめ、多言語のネイティブスピーカー講師によるレッスンを提供しています。言語を学ぶだけでなく、地域や世代独自の価値観や、文化的背景についても学べるのが大きな魅力です。異なる文化的背景を持つ人とのデートの際や、職場でのコミュニケーションを円滑にするための方法なども学ぶことができます。ぜひプレプリーのレッスンで、次の一歩を踏み出してみませんか?
調査概要
調査期間:2024年11月20日~2024年12月13日
サンプル数:29,538
調査対象者:世界21カ国の男女
調査方法:インターネット調査
引用・転載の際のお願い
調査結果を引用・転載される際には、以下2点のご対応をお願い申し上げます。
・「オンライン英会話レッスン Preply(プレプリー)調べ」の記載
・URL https://preply.com/ja/blog/awkward-silences/ の記載
Preply(プレプリー)について
プレプリーは、世界180カ国で50カ国語を教える32,000人以上の家庭教師と、数十万人の学習者をつなぐオンライン語学学習のマーケットプレイスです。機械学習のアルゴリズムによって生徒と家庭教師をマッチングさせ、選ばれた家庭教師は、学習者の予算、スケジュール、現在の知識に合わせてカスタマイズされたレッスンプランを作成します。
プレプリーは2012年にウクライナのKirill Bigai、Serge Lukyanov、Dmytro Voloshynのチームによって設立され、現在、58カ国の国籍からなる400人以上の従業員がいます。米国を拠点に、ヨーロッパ、米国、アフリカ、アジア、ラテンアメリカの30カ国に従業員がいます。
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