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帝京大から中部大春日丘高へ。ラグビー強豪校に広がる“脱・体育会”の流れ

愛知の雄・春日丘高校の取り組み。すべての学生スポーツチームが見るべき姿勢

■3年生が雑用。帝京大に受けた影響

 

 高校ラグビー界に脱・体育会の取り組みを続ける強豪校がある。2018年度の全国高校ラグビー大会「花園」に、6年連続8回目の出場を果たした愛知・中部大春日丘だ。

 

 春日丘にマネージャーはいない。ピッチ内外の仕事をピッチに立つ1チームの人数である「15」に分け、そこに全学年を縦割りで配置。選手が仕事を分担してクラブを運営している。

 ただし中心的に活動するのは3年生。1年生は見て学ぶ。プレーの話ではない、チームの雑務だ。

 2018年度で27年目を迎えた宮地真監督が、約10年前、上級生が雑用を担当する帝京大・岩出雅之監督の指導と出会い、帝京大同様の取り組みを採用した。

 愛知県出身の宮地監督は、以前は岐阜県内の女子高でソフトボール部の顧問。当時から下級生に優しいクラブ運営を目指していたという。

「女子校でソフトボール部の顧問をしていた時から、上級生にトンボをかけさせたりしました。僕自身が下の子に何かをさせることが嫌で。ずっとそういう感覚でいたものですから、そこがマッチングしました」

 上級生が下級生を支える帝京大・岩出監督の指導法・哲学に共感。直接岩出監督と会って話を聞くなどした。いまでは、3年生が下級生を支えるスタイルが、春日丘の文化になっているという。

 この取り組みを始めてから、春日丘は「花園に来れるようになりました」(宮地監督)。

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多羅 正崇

スポーツライター

法政二高-法政大学ではラグビー部に所属。大学1年時にU19日本代表候補に選出される。法政大学大学院日本文学専攻卒。現在は「ラグビーリパブリック」「Number web」等に記事を寄稿。ユーモアエッセイストとしても活動中。


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