〇日柱の干支:「辛卯」(かのとう)

 これは、「辛(かのと)」は自然界の物質に表すと宝石やダイヤモンドを意味する。つまりダイヤモンドの原石のような存在。原石は一見ただの石であるが、時間をかけてそれを磨くことによって、光り輝く宝石となる。このように、菊次郎も素晴らしい才能を秘めていながら、原石を磨き続ける苦労が必要な人物だったのだろう。

 菊次郎は、隆盛が奄美大島に島流しされていた際、妻・愛加那との間に生まれた長子。薩摩藩の「島妻制度」により島で娶った妻は薩摩に連れて帰れないという決まりがあり、薩摩に帰国した父としばらくともに暮らすことができなかった。9歳の時、薩摩の隆盛宅に引き取られるも、今度は母・愛加那とともに暮らすことができず、隆盛の新しい妻・糸に育てられた。このように、氏・育ちがすでに波乱万丈なのだが、西南戦争では父・隆盛とともに戦い、銃弾を受けて右足を失った。最後まで隆盛と共にすることを希望するも説得され、最終的に叔父・従道(隆盛の弟)に投降している。父、隆盛への思いは人一倍強かったろう。大切な人と離れて別れての繰り返し…ここまでか!と言うほどの壮絶な人生…。しかし、その境遇に耐えたからこそ、ダイヤモンドのように光輝き、その後外交官、政治家として開花したのだろうか。

 同様に「辛卯」を持つ有名人として、イチローや大坂なおみがいる。

 続いて、通変星、蔵干通変星から菊次郎の性格を読み解いていく。通変星、蔵干通変星をわかりやすく円グラフに表すと下記のようになる。

 

知性…様々な分野の知識が豊富で、何かを学ぶことに喜びを感じる。頭の回転が速く、物事を論理的に捉えることが上手

行動力…頭で考えるよりも行動で結果を出す。未知の分野に挑戦する意欲が強く、交渉力や営業力を磨けば成功できる

人脈…さりげない気配りができて誰とでも仲良くなれる。サービス精神が旺盛でコミュニケーション能力も高く人を動かせる。

自立心…他人に依存することなく、自分が信じた道を突き進む強い精神性。リーダーシップを発揮しフリーで活躍できる。

遊び心…楽しいことを企画する等、生活に遊びを取り入れることが自然とできる。芸術面の才能があり、表現力が豊富。

〇自立心40%!(比肩2つ、劫財)

 自分の信じた道を突き進み、リーダーシップを持っている。中でも「比肩(ひけん)」は、一匹狼で職人気質。頑固で負けず嫌い、マイペースであり、強い自立心を持っている。「劫財(ごうざい)」は、大企業の社長タイプ。組織をまとめることが得意で、欲しいものはどんな手を使っても手に入れたい!という強い星。

 菊次郎が自立心の星を3つも持っていたことには驚いた。これほど強い自立心を持っていると、上に立ちたいという思いが強いことが予想されるが、当人は非常に謙虚なイメージが強いからだ。菊次郎は、奄美大島の妻・愛加那の子どもであるが、薩摩には糸という正妻がいた。隆盛と糸の間に生まれた弟、寅太郎があくまで嫡男であり、菊次郎は、長男でありながら家督は継げないという複雑な立場にあった。しかし、それをも上手に飲み込んでいたのだろう。自立心が前面に出なかったのは、愛加那の教育の賜物といえる。

 なお、自立心を3つ以上持っている人物は、海外と縁が深いと言われる。世間の目を気にする必要がある日本では、収まりきらないほどの自立心を持っているという解釈だ。菊次郎は12才の時、2年6か月にわたりアメリカに留学し、農業学を学んでいる。その後、外交官としてアメリカ公使館で勤務、再度留学もしている。また、日清戦争で日本が勝利し台湾を手にすると、台湾宜蘭(ぎらん)県宜蘭庁長官等として勤務した。海外での長年の生活が菊次郎の自立心を上手に活かしたと言えるだろう。

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