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そして伝説は「継続」されたーーエアジョーダンの再出発。【エアジョーダン秘史(21)】

1985年の1stモデルから今なお続くレジェンドバッシュのヒストリー。

NBAのスーパースター、マイケル・ジョーダンのシグニチャーモデルとして生まれた〈AIR JORDAN〉。誕生から30年を超え、その背景や物語を知らずにファッションアイテムの一つとして楽しむ世代も増えてきた。そんな「マイケル・ジョーダンを知らない世代」のためのエアジョーダン基礎講座として、今なお続くナンバリングを順に振り返りながら、歴史を紐解いていきたい。

第21回は、2006年発売の「AIR JORDAN 21」。
AJ20で行くところまで行ってしまったバッシュデザインを一旦セットし、次世代の「1」を作り上げるーー。この「次世代」が大きな復活キーワードとなっている。

 

「20」を区切りに、新たな「1」を作る。
このコンセプトは成功を収めた!

写真を拡大 とにかくAJXX1のスペシャルBOXはデカイ!通常のナイキBOXの軽く1.5倍はあるサイズ。それゆえ、かなりのハイカットだがシューズは縦置きで収納が可能。スペースが許せば上ブタを上げてディスプレイできる。

ジョーダンのバスケへの愛を受け継がせる戦略がヒット!

 「エアジョーダンはエアジョーダンである以上、マイケル・ジョーダンのアイコンである」、そんな摂理に覚醒したかのように肩の力が抜けた快作がAJXX1だ。
 おそらくMJの引退以来、周囲の環境が落ち着いたこと、また「20 + 1」という数字にも恵まれたのだろう。19、20と今後の方向性を模索していたような迷いが、このシューズからは感じられない。それは逆に、主役のスターが不在であることを認めながら、ブランドの頂点に君臨するシューズとしてアピールしなければならなかったことを意味する普通なら「無理な話だ」と一蹴されるだろう。だが彼らはやり遂げた。「ジョーダンのバスケに対する愛」を後継者に送るデバイスとして、AJを作り変えたのだ。あえてクラシカルなスタイル、遺伝子パターンをちりばめたソール…。そのすべてのディテールは「次世代のためのAJ1」というコンセプトから生まれたものだ。

 

マイケルの愛車ベントレーがデザインソース!

写真を拡大 そのコンセプト通り、洗練された都会的な印象を与えるAJ21のスペック。

 デザイン担当はドウェイン、エド7-x、AJXX1も、クルマフリークであるMJの一番のお気に入りをデザインソースにしている。この当時はベントレーで、これまでのフェラーリやランボルギーニよりは成熟したシルエット。これも、シューズに落ち着いた印象与えるのにひと役買っている。I.P.S.ポッドはAJ20の正常進化版。ヒールのエアがズームと通常エアの2種類から選んで付け替えられるのか画期的なテクノロジーだ。

オリジナル1stカラーにはある仕掛けが…!?

写真を拡大 新たなスタートを象徴するPEバージョンも目玉戦略。

 AJXX1はオリジナルのハイカットとローカットの他、PE =プレイヤーズエディションと呼ばれるバージョンも存在する。こちらはMJのストーリーを抜きした、純粋な最新テクノロジーバッシュと捉えるべきだろう。余談だが、オリジナルの1stカラーには、実はブラックライトでアッパーを照らすとメッセージが浮き出るという仕掛けがしてある。

*参考文献『スニーカーJack Premium「まるごと1冊エアジョーダン23周年』(小社刊)

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