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日本代表・遠藤航「日本サッカーの未来」への責任を胸に。初のW杯に挑む

浦和・遠藤航連載第26回

■「日本のサッカー」とは何か。

 日本のサッカーとは何か。目指しているものは何か。

 そう聞かれたとき、どんな答えが返ってくるのか。あくまで僕の感覚ですが――ある程度共通の理解があったとしても、その実100人いれば100通りあるような状態なのではないか、と思います。誤解を恐れずに言えば、監督によって日本のサッカーが変わってしまう。4年に1度「日本サッカー」が変わってしまうような状況にあったと思うわけです。

 世界の強豪国を見れば、ドイツもスペインも「その国の目指すサッカー」がはっきりと確立されています。そしてそこに紐づいて、育成年代にもさまざまなプランが落とし込まれているといえます。各国の協会が中心となってそうした「目指すサッカー」を築き上げていく作業が、伝統的になされているのだと思います。

 その点において、今回、西野さんが監督に就任されたことは大きなチャンスだと思います。協会の技術委員長であった西野さんが描く「日本の目指すサッカー」をしっかりと示し、ワールドカップで戦う。それをロシアだけで終わらせず、検証をしながら継続をしていく。――今ワールドカップに挑む日本代表はそんな「未来への基盤」を作る使命を負っているのではないでしょうか。

 もちろん、それは長い時間をかけて作り上げられるべきで、強豪国にもさまざまな過去があったのだと思います。しかし、今、このタイミングで始めていかなければいつまでも始まらない。世界との差は埋まりません。

 ワールドカップまでの時間はほとんどありません。

 それでも、23名に選ばれたという「日本サッカーの未来」への責任を常に胸に抱いて残された時間を一生懸命にやっていきたいと思います。西野さんのサッカーを信じ、未来につながることを信じて、僕たち選手はレベルアップしていくことを忘れてはいけません。

遠藤航「世界への大航海」第26回】

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遠藤 航

えんどう わたる

浦和レッズ

1993年2月9日生まれ。神奈川県横浜市出身。

2008年に湘南ベルマーレユースへ加入すると、2010年には2種登録選手としてJ1で6試合に出場し1得点。翌年に、正式にトップチームへ昇格、主にセンターバックとして活躍する。各年代の日本代表にも招集され、リオ五輪を目指すU-23代表では主将を務め、リオ五輪代表出場権を勝ち取った。2016年シーズンより浦和レッズに移籍。



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