■空を飛んだ、自衛隊空挺団時代。

 高校卒業後は自衛隊へ。身一つで空を飛ぶ、空挺団での日々は身体感覚を極限まで研ぎ澄ませた。

「空挺団に入って空を飛んでいました。落下傘を自分で操作し、自分で降りる。まさしく自分の命を自分で支える状況。そのときにすごく神経が高まって、感覚が鋭くなったのを覚えています。僕がいた習志野敷地って、米軍の人も『こんな所で飛ぶなんてクレージーだ!』と驚くぐらい狭かったんです。ちょっと間違って風邪が吹いたらドーンと習志野の市街地まで飛ばされてしまう環境でした」

 CHAZさんは自衛隊での命がけの体験を経て、“体”というものにどんどん興味がわくようになる。体を意のままに動かせている人は、どんな感覚なのか。その答えを探すために、空挺団を1年でやめ、ダンスにシフト。ダンスをやるならまず自衛隊でトップを極めろ、という親には、「空挺団(第254期第1空挺団)の体力検定で1位、自衛隊の他の体力検定でも1位をとり、“ふたつの1位”をそろえOKをもらった」そう。

 そこからまずダンスの専門学校に入り、やがて生徒をもつように。NYやLAなどへ海外修行も経験。LAでは、当時流行していた「パワーヨガ」に出会った。

「ちょうどマドンナがパワーヨガを広めていた時期でした。いまでこそ、『マインドフルネス』とかが流行っていますが、当時はちょっと怪しいイメージもあって敬遠されていた時期でした。でも僕は、ダンスを習いにいったLAで、なぜか朝ヨガをやり『呼吸ってこんなに気持ちいいんだ』と気付かされたんです」

 この体験がブレイクスルーとなり、CHAZさんの“体”に対するアンテナはますます広く張り巡らされていく。日本に戻りダンスを教えながら、解剖学や整体も独学で勉強。ストレッチの仕方など「これまで生徒たちに正しい知識をなにひとつ教えてこなかった」ことを痛感させられたという。その後、「すべての人の“健康寿命”をのばしたい」という思いからパーソナルトレーナーとして本格始動。現在は東京・池袋にスタジオ「STUDIO REGAL」を構え、ゴムチューブを中心にしたトレーニングを行っている。連日「予約のとれない」という盛況ぶりだ。

 常に自分の興味に揺り動かされ、体当たりで行動してきたCHAZさん。一見バラバラに見える体験が全て点と点とでつながり、現在のトレーナーとしての活動の糧となっている。

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