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【2040年のモノ】2030年、銀行が発行するお金はデジタル化される

2040年の「お金」を想像してみる〈後編〉

■「昔は紙や金属のお金を使っていたんだよ」

中島さんの著書『アフター・ビットコイン』(新潮社)は、ブロックチェーン技術と通貨の電子化の未来をとらえた好著だ。

 遅くとも2030年には、銀行が発行するお金はブロックチェーン技術に基づき、硬貨や紙幣といった形を無くして「デジタル化」されているか。こうしたシフトは革命的にも思えるが、中島さんは「歴史の必然」と指摘する。

「貨幣の歴史を振り返ると、それは常に“技術進歩”とともに歩んできていることがわかります。金属の精錬技術ができたことにより、金や銀などの金属貨幣ができましたし、金属の鋳造ができるようになるとコインの形をした鋳造貨幣が使われるようになり、製紙や印刷の技術が確立されると紙幣が生まれました。IC技術や非接触通信技術によって、電子マネーも実現されました。そのように考えていくと、『インターネット以来の発明』と言われるブロックチェーン技術ができた以上、それが通貨に使われていくのは歴史の必然と言えるでしょう」

 では、2040年に「お金」はその姿をどう変えているのだろうか。

「ブロックチェーンを使ったデジタル通貨には、まだまだ解決しないといけない課題もたくさんあり、断言することは難しい。しかし、いずれにせよ、キャッシュレス化は確実に進んでいくでしょう。物々交換から始まり貝殻や金属、紙幣へと変化を遂げてきた『お金』は“データ”へとその姿を変えていくのです。2040年頃には、『昔は紙や金属のお金を使っていたんだよ』と子どもや孫に教えているかもしれませんね」

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