【小田急の新型ロマンスカーGSEに試乗】 | BEST T!MESコラム

BEST TiMES(ベストタイムズ) | KKベストセラーズ

小田急の新型ロマンスカーGSEに試乗

3月17日デビューの新型ロマンスカーでレアなルートをたどる

 隣の2番線に小田原行き急行がやってきて発車すると、その後を追うように試乗会用のGSEも動き出した。先頭の展望席へ行ってみると前がよく見える。やはり小田急ロマンスカーは展望席がベストだ。「白いロマンスカー」ことVSEに比べると窓の高さが30cm高くなり、また最前席が35cm先頭方向へせり出すように設計されているとのことだ。かぶりつき展望が一層迫力あるものとなった。面白いことに、GSEは本来走る急行線ではなく、各駅停車が走る一番南側の線路を走っている。営業運転後は見られないレアな光景であろう。

展望室のある1号車車内

 朝、下車した喜多見駅を通過し、先へ向かう。人気の展望席は交代制なので、持ち時間が終わり、2号車の座席に戻る。この車両の窓も大きくなったので、普通の座席でも快適な車窓が楽しめる。

喜多見駅付近を通過(前面展望)

 多摩川を渡って、登戸を通過。高架の複々線区間は終わり、向ヶ丘遊園駅を過ぎると、住宅地となった丘陵に囲まれた谷あいの複線の線路を走る。左右方向の車両振動を低減する「電動油圧式フルアクティブサスペンション」を7両編成すべての車両に搭載しているので静かで滑らかな乗り心地だ。

 新百合ヶ丘で停車。ここからは町田、小田原方面ではなく本線を高架で跨いで大きく右へ曲がって多摩線に乗り入れる。かつては通勤用のロマンスカーが走っていた多摩線だが、現在は廃止されているので、ロマンスカーに乗って多摩線を行くのも貴重な体験だ。しばらくは追い抜き用の側線がなく先を走る各駅停車を追い抜けないので、各駅に停車しながらのんびりと進む。ホームで各駅停車の電車を待っている人が珍しそうにGSEを眺め、スマホを取り出して撮影する人もいる。

 はるひ野駅を過ぎると、右手から京王相模原線が寄り添ってきた。折からやってきた8000系の橋本行きと競走となる。トンネルを2つほど抜けると多摩ニュータウン中心部の入口に当たる小田急永山駅に京王線とほぼ同時に到着となった。隣の京王永山駅の上りホームには、真新しい京王ライナー用の新5000系電車の姿がちらりと見えたが、すぐに新宿方面のトンネルの中へ姿を消してしまった。

京王8000系並走

次のページ試乗会の終点は新宿駅ではなく……

KEYWORDS:

オススメ記事

野田 隆

のだ たかし

日本旅行作家協会 理事

1952年名古屋生まれ。日本旅行作家協会理事。早稲田大学大学院修了。 蒸気機関車D51を見て育った生まれつきの鉄道ファン。国内はもとよりヨーロッパの鉄道の旅に関する著書多数。著書に『テツに学ぶ楽しい鉄道旅入門』(ポプラ新書)『にっぽん鉄道100景』『テツはこんな旅をしている~鉄道旅行再発見』(平凡社新書)『定年からの鉄道旅行のススメ』 (洋泉社新書) 『テツ道のすゝめ』(中日新聞社)『愛知県 駅と路線の謎』(洋泉社新書y)など。



ホームページ http://nodatch.travel.coocan.jp/


この著者の記事一覧