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睡眠時間は「7時間」がちょうどいい説

【睡眠負債】を枝川義邦氏が徹底解説3/3

■日本は国そのものが「眠れない」国だ

枝川 今の日本は社会そのものが私たちを"眠らなくていい症候群”にさせています。スマホに限らず、そこかしこに眠らないように作用するものが散らばっている。

 とくに都市部では、“過剰な明るさ”が目立ちます。夜の電車でも車内はものすごく明るいですし、コンビニも24時間明かりが煌々としています。そして家に帰れば蛍光灯が目に痛いほどの光で迎えてくれます。日本は蛍光灯がとても多く、そのおかげで明るいというのもあります。これがアメリカやヨーロッパでは白熱灯や間接照明が中心で家の中もすごく暗い。本を読むときもブックライトや、ソファーの側に間接照明を置いたりして、あまり明るくしていない。

トオル なんかリラックスできそうですね。

枝川 部屋の明るさが落ち着いていれば、副交感神経が優位になって落ち着いてきます。しかし日本の環境では全く逆です。

シズカ スマホの他に、たとえば寝る前にお酒を飲んだりするのどうなんでしょう。

枝川 確かに寝付きをよくする効果はあるんですが、深酒は避けたいですね。どうしても寝付けないようなときにだけ、アルコール度数が高いものをきゅっとやる、というのはいいと思います。

トオル スマホとお酒、気をつけよう……。

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枝川 義邦

えだがわ よしくに

早稲田大学研究戦略センター教授。東京大学大学院を修了して薬学の博士号、早稲田大学ビジネススクールを修了してMBAを取得。早稲田大学スーパーテクノロジーオフィサー(STO)の初代認定を受ける。脳の仕組みや働き、人間の行動などについての執筆や講演なども多い。2015年度早稲田大学ティーチングアワード総長賞、2017年度ユーキャン新語・流行語大賞を受賞。一般向けの著書に『「脳が若い人」と「脳が老ける人」の習慣』(明日香出版社)、『記憶のスイッチ、はいってますか』(技術評論社)、『「覚えられる」が習慣になる!記憶力ドリル』(総合法令出版)など。


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